値動きに注目して考える
英総選挙での与党の大勝を受けて、英ポンド/円は一時148円に一気に迫る急騰となった。今月の値幅が先週までの段階でまだ1.3円程度にとどまっている米ドル/円に対し、英ポンド/円の値幅はすでに7円以上に急拡大している。米ドル/円に象徴される記録的な低いボラティリティー(変動率)、「低ボラ」の中で、「高ボラ」が一際目立つところとなっている。
では、英ポンド/円の上昇はさらに続くのだろうか。プライスアクション(値動き)に注目し調べたところ、結論的にいうと、もっと上がってもおかしくないものの、さすがに月内ならせいぜい150円に届くかどうかといったところではないか。
たとえば、月間値幅の観点。上述のように、12月のそれはすでに7.11円まで拡大したが、今年は11月までの値幅平均が6.25円だったので、すでに12月は半月が過ぎた段階で平均を上回ったことになる。ただし、今年は月間値幅が10円前後に達した月が4回もあったので、その意味では、値幅の観点から今月は「動き過ぎ」といえるほどではなさそうだ。
次に今月に入ってからの最大上昇幅という観点で見てみよう。12月13日には一気に148円に迫る動きとなったことから、先月末終値比での英ポンド/円の上昇幅は最大で6.3円となった。これは10月(8.6円)、9月(6.4円)に続く第3位だ。今月後半にさらに続伸するとしても、2円程度がせいぜいといった感じではないか。
以上をまとめると、英ポンド/円は目先的に先週の高値を更新する可能性はなくはなさそうだが、月内なら続伸しても150円に迫るのがせいぜいではないか。