【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 28135.38  △3.33 (12/13)
NASDAQ: 8734.88  △17.56 (12/13)

1.概況

先週末の米国市場は米中が貿易交渉で第1段階の合意に達し米政府が15日に予定していた対中制裁関税の発動を見送ったことで3日続伸となり、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が前日に続いて史上最高値を更新しましたが、前日に合意期待で既に大きく上げていたこともあって小幅な上昇に止まりました。ダウ平均は朝方に160ドル高近くまで上昇しましたが、買いが続かず下落に転じると100ドル安余りまで売られました。しかし、持ち直すと午後は前日終値近辺で小幅に揉み合う展開が取引終了まで続きました。結局ダウ平均は3ドル高の28,135ドルで取引を終えています。

また、S&P500株価指数は0.2ポイント高の3,168ポイントとなりわずかに史上最高値を更新しました。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も17ポイント高の8,734ポイントとなりこちらも小幅に史上最高値を更新しています。

2.経済指標等

11月の米小売売上高は前月比0.2%増に止まり市場予想を下回りました。一方で11月の米輸出物価指数も0.2%上昇し市場予想を上回りました。米輸入物価指数は前月比0.2%上昇し市場予想と一致しています。10月の米企業在庫も前月比0.2%増となり市場予想と一致しました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや素材、金融など6業種が下げ、エネルギーは1%近く下落しました。一方で公益事業や情報技術、生活必需品などの5業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではアメリカン・エキスプレス(AXP)とビザ(V)が1%を超える上昇となったほか、米政府が15日に予定していた対中制裁関税の発動を見送ったことでiPhoneへの追加関税も見送られたことでアップル(AAPL)も1%以上上げました。一方でダウ(DOW)が2%以上下げたうえ、エクソンモービル(XOM)とボーイング(BA)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も1%を上回る下落となりました。ボーイングはオーストラリアのカンタス航空が次世代大型機で777Xの代わりに競合のエアバス機を購入したことが嫌気されました。

ダウ平均構成銘柄以外では、決算が市場予想を上回る増収増益となったソフト大手のアドビ(ADBE)が4%近く上げました。オラクル(ORCL)は決算で売上高が市場予想を下回ったことで3%以上下げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.07%低い1.82%となりました。ドル円は109円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は先週末の大幅高の反動でやや売り優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り切り返すような展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)