日経平均に「ダブルトップ」完成への警戒
みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永です。今週も窓についての解説になります。今週から名実ともに12月相場入りとなりました。昨年の年末は12月26日まで下落が続きましたが、今年も少し不穏な空気が漂い始めているように思われます。日経平均のチャートで確認したいと思います。
前回は、「5日移動平均線上を維持できずに割り込むようですと、25日移動平均線の上昇角度が緩やかになってきていますので、25日移動平均線を終値で下回ることも考えられ、ダブルトップの形成に注意が必要になると思われます」としました。
この点について、チャートを見ると分かるように、11月12日と12月2日にそれぞれ高値をつけたあと、12月3日には5日移動平均線を割り込んでおり、フォーメーション分析でよく名前を聞く「ダブルトップ」完成への警戒が必要になっている状況と思われます。
ダブルトップの完成には、高値と高値のあいだの安値(ネックラインと呼びます)を終値で下回る必要があります。この安値が23,038円ですから、この値を終値で割り込むようですと、ダブルトップが完成することになってしまいます。
ただ、ネックラインを下回るためには、先ず上向きの25日移動平均線を下回る必要がありますので、今週は25日移動平均線を終値で下回るかどうかが、ダブルトップ完成のための必要条件と言えます。
株価が伸び悩み、あっさり窓が埋められる
そうしたなか、前回は窓について「今回発生した窓もコモンギャップと考えられ、株価が伸び悩むと直ぐに埋まってしまうことも考えられるのではないかと思われます」と指摘しました。
実際にチャートを見るとどうでしょう。指摘したように11月末まで陰線が5営業日連続で続いて伸び悩み、12月に入って悪材料が出たこともあって、あっさり窓が埋められているのが分かります。
5日移動平均線が25日平均線を下抜くデッドクロス発生も
こうした状況から考えなければならないことですが、トレンド分析の考え方からは25日移動平均線を下回ったまま推移するかどうかが重要になります。
例えば、25日移動平均線を終値で割り込んだあと、5日移動平均線が下向きに変化したまま下がってくると同時に、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に抜くデッドクロスの発生が考えられます。
また、デッドクロスしたあと、5日移動平均線が上値の抵抗になって押し返されるかどうかが、調整が長引くのか、あるいは短期間で終わるのかの判断の分かれ目になるのではないかと思われます。
仮に25日移動平均線を終値で割り込んだ場合、5日移動平均線が上値の抵抗になるようですと、調整が長引くと同時にネックラインを割り込むことが考えられますので、ダブルトップ完成への警戒が必要になり、押し目買いは控える必要が出てきます。
一方で、25日移動平均線を割り込まずに反発して5日移動平均線を上回った場合や、25日移動平均線を割り込んでも、直ぐに25日と5日移動平均線上を回復すると同時に、5日移動平均線が上向きに変化した場合などは、ダブルトップは未完成となり、もち合いや高値更新への期待が継続することになるのではないかと思われます。
いずれにしても、今年の年末相場が今年の高値圏で終えるのか、あるいは下落して終えるのか、重要な局面に差しかかっていると考えられますので、慎重に行動するようにしたいところです。