日経平均はここ2週余り調整してきたが、これで過熱感は払拭された。日経平均は25日移動平均にワンタッチして切り返し、目先調整完了と思われる。これは非常にタイミングがよい。というのは、今週は需給的に相場が上がりやすい時期に当たるからだ。3月期決算企業の中間配当が支払われ、配当再投資の買いが入りやすい。昨年のケースは、11月最終週に信託は1450億円買い越し、投信も847億円の買い越しだった。信託・投信の買い越しは12月の1週にさらに加速した。配当は年々増加傾向にあり、今年も需給は締まるだろう。

加えて今週木曜日は米国の感謝祭。米国の投資家は休みに入る時期だ。薄商いが予想されるが、「閑散に売りなし」でもある。昨年の同時期には海外投資家の大幅売り越しが続いたが、今年は逆に買い越しに転じてきている。売りも薄いなか、国内の機関投資家からの機械的な買いで株式相場は堅調な展開を予想する。

引き続き香港情勢と米中貿易協議の行方が不透明だが、少なくとも今週は感謝祭で米国サイドの動きはない。だが、年内に第1段階の合意を交わすとの見方は依然優勢で、今週が終わればいよいよ12月であり、米中協議の決着期待が先高観を醸成するだろう。

日曜日の日経新聞は、東証マザーズ市場などに上場する新興企業の業績回復を報じた。7~9月期の純利益が5四半期ぶりに増益転換したという。大型株が調整してきたこの間、マザーズ指数は大きく上げており、循環物色も効いてきた感がある。日経平均の年初来高値更新が続く中、逆張りで踏み上げられてきた個人投資家もマザーズの回復で一息つけるのではないか。感謝祭で米国勢が休みの今週は機関投資家・個人とも国内勢の動向に注目したい。

注目は26日のアリババの香港上場だ。当初は8月上場の予定だったがデモの激化で見送った経緯がある。このタイミングで上場を成功させれば香港市場の信認回復に寄与できるだろう。無論、グローバル市場にとっても不安心理の後退につながる。

今週の予想レンジは23,000円~23,600円とする。