前回のコラムでは変化日を11月6日・12日とし、各水準で陰陽数の騰落の勢いを比較して見ていただきました。

また前々回のコラム「米ドル/円、11月半ばまで堅調かどうか」では、一巡環(676日)変化日から2019年5月31日実線と交わる遅行スパン水準の重要性について触れています。実際の変動は11月6日変動で反応がなく、11月7日109.486円までの上昇後わずかながら押す形となっています。

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

まず先週確認した陰陽数をご覧ください。

8月5日水準、6月25日水準では、陰陽数から上げの勢いが勝っている可能性がわかります。実際上げており、6月5日水準、5月31日水準では陰陽数では下げの勢いが勝っている可能性が高い状態でした。

実際には6月5日水準、5月31日水準からの上昇で10月30日高値、8月1日高値を上抜き、各水準からの上昇となっています。

前回述べたように陰陽数の比較はヒントであり、必ずしも絶対的なものではありません。重視すべきは基本波動であり、11月1日からの上昇はそれ自体上げ三波動を強調するものになっています。

陰陽数を見てみましょう。

【図表2】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

11月12日10時現在、5月13日安値水準にあり現時点では陽線となっています。同水準で陰陽数は陰線62、陽線68、今日陰線となれば陰線63、陽線67とごくわずかに陽線数が多いことがわかるでしょう。

仮に今後下落していく場合、その過程では陰陽数が完全に拮抗します。しかし直近11月7日高値は、5月13日水準を上抜いていますので、109.01円(5月13日安値)×2-109.48円(11月7日高値)=108.54円は5月13日水準を重視した場合の下げの許容範囲となります。

108.54円は5月31日水準と言ってよいのですが、日足均衡表もまた基準線が11月15日にはこの水準に上がってきます。したがって現在位置の下落であっても、108.5円水準は買い場になり得ます。

また提題の「11月12日からの上昇は買い」は、上げ三波動重視をより明確化しました。10月23日安値割れと同時に、短期に10月30日高値が更新されたことで新たな上げ三波動の時間が期待できる状況でもあります。

3日足の遅行スパンもこの段階では大きなヒントになりますので確認しましょう。

【図表3】米ドル/円(3日足)
出所:筆者作成

陰陽数は3日足の陰陽数です。当日終値と三本前の寄り付きで作成した、ローソク足の陰陽数を書いてあります。

経験的には3日足の陰連陽連ともに9以上の出現はまれであり、方向性の軸としては5、あるいは6になるでしょうか。5以下の陰陽の繰り返しは細かいモミアイを示唆します。

下落過程と上昇過程では、3日足の傾向が異なることは明らかです。ここまでの上昇過程では4陰連以上を一度も出していないことがわかるでしょう。

直近変動では6陽連、1陰を経て、11月11日まで5陽連となっています。11月12日109.206円(11月8日寄り付き)以上ならば6陽連、6陽連とならずとも、11月12日からの上昇ではすぐに陽連時代となることがわかるでしょう。

逆に現在位置から下げるようなケースでは、前3陰連に対する3陰連目、あるいは前5陽連に対する5陰連目が非常に大事となり、前3陰連日する3陰連目は11月15日となっています。

3日足も基本数値足(9週足、9ヶ月足など)と同様に活用するものです。非常に便利ですのでぜひ活用してください。

 

※本文ならびにチャートの時間軸は取引日で作成しています。

 


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