【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 27186.69  △115.27 (10/30)
NASDAQ: 8303.98  △27.12 (10/30)

1.概況

米国市場は反発しS&P500株価指数が史上最高値を更新しました。ダウ平均はFOMCの結果発表を午後に控え様子見となり前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開が続きましたが、パウエルFRB議長がFOMC後の会見で今後の利下げの可能性を排除しなかったことから買いが優勢になると取引終盤に上げ幅を広げる展開となりました。結局ダウ平均は115ドル高の27,186ドルとなっています。また、S&P500株価指数も9ポイント高の3,046ポイントとなり28日に付けた史上最高値を2日ぶりに更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も27ポイント高の8,303ポイントとなりました。

2.経済指標等

米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利の0.25%の引き下げを決めました。声明文は「景気拡大を維持するために適切に行動する」との文言が削除されたことで利下げ停止を示唆する内容となりましたが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が会見で「見通しの大幅な見直しを必要とする出来事が起これば当然適切に対応する」と発言したことで今後の利下げの可能性を排除しなかったと受け止められました。また、7-9月期の米実質GDP速報値は前期比年率換算で1.9%増となり市場予想を上回りました。さらに10月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数も12万5000人増となり市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業やヘルスケア、不動産などの8業種が上げました。一方でエネルギーと金融、素材の3業種が下げました。

4.個別銘柄動向

ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)が発がん性物質混入の疑惑があったベビーパウダーから発がん性物質が検出されなかったと公表したことから3%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。ゼネラル・エレクトリック(GE)も決算で1株利益が市場予想を上回ったことで急伸し11%以上上げています。さらに玩具大手のマテル(MAT)も決算が市場予想を上回る増収増益となったことで急伸し14%近く上昇しました。また、取引終了後に決算を発表したアップル(AAPL)は決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことから時間外で買われています。一方で外食大手のヤム・ブランズ(YUM)が決算で1株利益が市場予想を下回ったことで6%近く下げました。

5.為替・金利等

長期金利は0.07%低い1.77%となりました。ドル円は108円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか本日は昼ごろに日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定です。金融政策に変更はないとみられますが、政策金利の先行き指針(フォワードガイダンス)を修正し緩和に前向きな姿勢を改めて示すとの見方もあることから注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)