【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 27137.04  △227.61 (9/11)
NASDAQ: 8169.68  △85.52 (9/11)

1.概況

米国市場は中国政府が米国製品への追加関税を一部製品で対象から外すと発表したことで米中貿易協議が進展するとの期待が高まったことや、前日に新製品やサービスの発表会を行ったアップル(AAPL)への買いが続いたことなどから上昇しました。18ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に小幅にマイナスとなる場面もありましたが、下げ渋るとまもなくして買いが優勢となりその後は一日を通して上げ幅を大きく広げる展開となりました。結局ダウ平均は227ドル高の27,137ドルと高値引けとなり6日続伸となっています。

また、S&P500株価指数が21ポイント高の3,000ポイントと続伸となり7月30日以来約1ヵ月半ぶりに終値で3,000ポイントの節目を回復したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も85ポイント高の8,169ポイントとなり4日ぶりに反発しています。

2.経済指標等

8月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.1%上昇し市場予想も上回りました。また、7月の米卸売売上高も前月比0.3%増となり市場予想を上回っています。米卸売在庫は前月比0.2%増となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産を除く10業種が上げました。そのなかでも情報技術とヘルスケアが1%高となったほか、公益事業と素材、資本財・サービス、コミュニケーション・サービスも1%近く上昇しています。

4.個別銘柄動向

米中貿易協議が進展するとの期待や最高経営責任者(CEO)が運航停止中の737MAXについて2019年10-12月期の再開をまだ見込んでいると述べたことなどからボーイング(BA)が3%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。さらに前日に発表した新製品やサービスに対して前向きな評価が目立ったアップルも3%を超える上昇となり、ボーイングとアップルの2銘柄でダウ平均を140ドル近く押し上げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、投資判断の引き上げを受けて半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)が2%以上上げています。また、決算を受けて目標株価の引き上げが相次いだことで家具販売のRH(RH)も5%余り上げています。一方で石油サービス会社のベーカー・ヒューズ(BHGE)が親会社のゼネラル・エレクトリック(GE)が保有する株式の売り出しを始めたと発表したことで7%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%高い1.74%となりました。ドル円は107円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか昨日までの7日続伸で1,000円近く上げている日経平均が利益確定の売りが出やすいなかでどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)