トレンドの発生につながる窓があく
みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永です。今週も窓についての解説になります。前回のコラムは、「仮に25日移動平均線をブレイクすると同時に25日移動平均線上を維持するようですと、20,700円台のレジスタンスをブレイクすることが期待される」としました。
また、「これまでは窓が発生してもコモンギャップでしたが、今後上下いずれかにトレンドが発生するような窓が形成されるのか要注目です」としましたが、果たして結果は…。
チャートを見ると分かるように、今月5日に25日移動平均線を上回ると同時に窓をあけて始まり、そのまま一気に75日移動平均線を上回る結果となりました。また、このときの上昇で8月2日と5日のあいだにあけた窓を埋めているのが分かります。
さらに、その後も75日移動平均線上を維持したことから8月1日と2日にあけた窓も上回り、8月に入ってからの急落のきっかけとなった窓を埋める結果となっているのが分かります。こうした状況から、過去の値幅の範囲内での値動きではあるものの、トレンドの発生につながる窓と考えられるのではないでしょうか。
レンジ相場が長く続いた後のブレイクは値動きが強い
そこで今後の判断に生かすために注目しておきたい点があります。それは前述にあるように20,700円台のレジスタンスをブレイクしたことです。
なぜなら、8月に入って急落してから6日に取引時間中の安値20,110円と9日の高値20,782円がレンジの下限と上限となるなか、レンジの上限をブレイクして始まったことで株価の反発力が強まったと考えられるからです。
過去にも、こうしたレンジ内での値動きが長くなればなるほど、ブレイクした後の値動きは強くなりやすいということを何度かお話ししてきたと思います。9月5日に窓をあけたことで、現実に強い動きが起こったと考えられるのではないでしょうか。
そうしたなか、9月10日現在も75日移動平均線を上回ったあと株価水準の切り上げが続いています。このまま上昇が続くようですと、7月30日と31日のあいだにあけた窓を埋めることも視野に入るのではないかと思われます。
7月の窓を埋めるために何が必要か
では7月の窓を埋めるために、何がテクニカル分析的に必要なのでしょうか。それは、上向きの5日移動平均線上を維持することではないかと思われます。
また、仮に反落した場合でも、横ばいに変化しつつある75日移動平均線上を維持するようですと、短期的な反発は一服したとしても、中期的な反発は継続することになり、7月の窓を埋める水準まで株価の反発が継続することが期待されます。
一方で、5日移動平均線に加え、75日移動平均線も下回ってしまうようですと、今回新たにあけた窓を2つとも埋めることが考えられますので要注意です。
今回のように、過去の値幅の範囲内であっても、比較的長い期間レンジ内での値動きが続いたあとに株価が底入れすると同時に窓をあけて反発に向かうときは、ブレイクアウェイギャップと同様な値動きが起こり、埋まっていない窓まで株価が戻ってきて窓を埋めることを頭に入れ、今後の株価動向を予測するようにしたいところです。