米中貿易摩擦激化への警戒が薄れ上方向に窓が発生
みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永です。今週も窓についての解説になります。
前回のコラムは8月23日と8月26日のあいだと8月26日と8月27日のあいだに新たな窓が2つ発生したことと、この2つの窓を埋めた場合の値動きについて解説しました。果たして結果は…。
これら2つの窓を埋めることなく、8月30日にまた新たな窓が発生する結果となってしまいました。
今回上方向に窓が発生した原因は、中国商務省の報道官が「中国は貿易戦争のエスカレートに断固反対する。冷静な態度で協議と協力をし、問題を解決したい」と述べ、米中貿易摩擦激化への警戒が和らいだことにあります。
トランプ氏や中国要人の発言があってもレンジ内の値動きが続く
ただ今回も上方向に窓があきましたが、20,700円台がレジスタンスとなってそのあと押し返されていることから、この窓もコモンギャップと考えられ、トレンドが発生するような窓を形成したわけではないことがわかります。
そうなりますと、トランプ米大統領のツイートや中国政府関係者の発言があっても、レンジ内での値動きが続いていることになり、もっと大きな何かが起こらないと上限と下限をブレイクするような窓が発生しないのではないかと考えられます。
2本の移動平均線どちらをブレイクするか今週は重要な局面に
一方で、新たに8月30日に発生した窓と移動平均線の位置関係を見ますと、下向きの25日移動平均線に上値を押さえられている反面、上向きの5日移動平均線がサポートになっているのがわかります。
またこの2本線は、株価が横ばいでもそれぞれ接近してきますので、この2本の移動平均線のどちらをブレイクするのかが当面の注目ポイントになりそうです。
仮に25日移動平均線をブレイクすると同時に線上を維持するようですと、20,700円台のレジスタンスをブレイクすることが期待される反面、5日移動平均線を割り込むようですと、20,100円台のサポートをブレイクすることが考えられます。9月に入ってからの今週は、非常に重要な局面に差し掛かっていると言えるのではないでしょうか。
これまでは窓が発生してもコモンギャップでしたが、今後上下いずれかにトレンドが発生するような窓が形成されるのか要注目です。