【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26728.15  △372.68 (9/5)
NASDAQ: 8116.83  △139.95 (9/5)

1.概況

米国市場は米中が閣僚級の貿易協議を10月初めにワシントンで開くことで合意したことを好感して大幅続伸となりました。ダウ平均は247ドル高でスタートすると480ドル高まで上げ幅を広げたあと上値が伸び悩みましたが、その後も堅調に推移すると結局372ドル高の26,728ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も139ポイント高の8,116ポイントとなっています。

2.経済指標等

8月の米ISM非製造業景況感指数は56.4と前月から上昇し市場予想も上回りました。8月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数も19万5000人増となり市場予想を上回りました。4-6月期の米労働生産性指数改定値も前期比2.3%上昇し市場予想を上回っています。さらに7月の米製造業受注も前月比1.4%増となり市場予想を上回りました。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1000件増の21万7000件となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、情報技術が2%以上上昇したほか、金融と一般消費財・サービスも2%近く上げています。一方で公益事業と不動産、生活必需品の3業種が下げ、公益事業が1%を超える下落となり、不動産も1%近く下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上げました。そのなかでもIBM(IBM)とキャタピラー(CAT)が3%以上上げたほか、ゴールドマン・サックス(GS)とスリーエム(MMM)、インテル(INTC)、ナイキ(NKE)、シスコシステムズ(CSCO)、JPモルガン・チェース(JPM)も2%を超える上昇となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、米中が閣僚級の貿易協議を10月初めにワシントンで開くことで合意したことを受けて画像処理半導体大手のエヌビディア(NVDA)が6%以上上げたうえ、半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)も4%を上回る上昇となっています。また、保険大手のプルデンシャル・ファイナンシャル(PRU)がオンラインで保険を販売するスタートアップ企業を買収すると発表したことで3%近く上げています。一方でネットワーク機器大手のシエナ(CIEN)が決算で示した2019年8-10月期の売上高総利益率が市場予想を下回ったことなどから4%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.10%高い1.56%となりました。ドル円は一段と円安に振れ107円近辺で推移しています。107円台前半まで円安が進む場面もありました。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高と円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか昨日に430円以上上げた日経平均が利益確定の売りが出やすいなかでどこまで上値を伸ばせるのかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)