8月の3点底で割り込まなかった2万円

東京株式市場は8月相場が終了しました。何となく最後は少し良いムードで終えることができましたが、9月も方向感に乏しい相場展開が続きそうです。

前半は戻り歩調が続く可能性が高いですが、後半は再び下押す場面に遭遇することが予想されます。

というのは、8月の月足のローソク足は下ヒゲのある陰線となったからです。月足の下ヒゲぐらいはよくある話で、珍しくもなんともないのですが、日足でみると、2万円手前が周知の下値支持帯になり、下方硬直的な動きが確認できます。

【図表1】日経平均(月足)
出所:マネックス証券作成

このまま8月9日高値(20,782円)を超えることができれば、8月6日安値(20,110円)、8月15日安値(20 ,184円)、8月26日安値(20,173円)とで3点底となります。3度目の正直でも割り込まなかった2万円。だったら、戻るのではないかと思いだす、これが心理面からの底入れパターンです。

【図表2】日経平均(日足)
出所:マネックス証券作成

しかも、2012年安値水準を起点に2016年安値を通る右肩上がりの長期の上昇トレンドライン上での3点底(短期底)となるため、信頼性が比較的高い。だから、前半はメジャーSQ(13日)に向けて戻りを試せるかどうか、だと思っています。

9月はレンジの狭いもみ合いに

一方、9月後半は7月以降で上値抵抗になってきた12ヶ月線で同じように頭打ちとなり、上値が重く弱含むパターンではないでしょうか。12ヶ月線は7月の21,691円→8月の21,511円→9月は21,220円付近に下げてきます。

9月は長期上昇トレンドラインと12ヶ月線の間から抜け出すことができず、レンジの狭いもみ合い。20,800円前後を中心に上下300円~400円の動きとみています。9月のローソク足は「十字足」に近いかたちのような気がします。

調整局面から新たな上昇が始まるタイミングか

日足でみると、75日線(21,105円 8月30日)、下落基調が続く200日線(21,256円 8月30日)超えの水準までで頭打ちが予想されるものの、ただ200日線まで戻れば、そのあとの調整があっても底固めにつながりやすいです。

今の水準である程度の時間稼ぎができると、10月ぐらいになれば200日線が上昇に転じる可能性が高まり、長期上昇トレンドラインから飛び上がれるきっかけにもなってきます。

つまり、9月の波動パターンは4月から続いたもみ合いの最終局面、最後の値固めの局面とみられます。アベノミクス相場ではこれまで2度大きな調整局面がありました。概ね、高値から1年が経過したあとに新たな上昇がスタートしています。今回の調整局面も、昨年10月高値(24,448円)からそろそろ1年が経過します。