【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25628.90 ▼623.34 (8/23)
NASDAQ: 7751.77 ▼239.62 (8/23)
1.概況
先週末の米国市場は米中間の対立が一段と激化する懸念が高まり大幅に下落しました。中国政府が米国による制裁関税「第4弾」への報復措置を発表したことで118ドル安と下落して始まったダウ平均は、パウエルFRB議長がジャクソンホール会議での講演で世界景気に減速の証拠があり、成長持続へ適切に行動すると述べ追加利下げに前向きな姿勢を示したことで一旦切り返し68ドル高まで上昇する場面もありました。
しかし、トランプ米大統領が昼前に中国の報復措置に対して対抗措置を打ち出すとツイートすると再びマイナスに転じ一気に大きく下げ幅を広げる展開となりました。引け間際に745ドル安まで下落したダウ平均は引けにかけてやや下げ幅を縮めたものの結局623ドル安の25,628ドルで取引を終え3日ぶりに反落しています。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も239ポイント安の7,751ポイントと続落となっています。
2.経済指標等
7月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比12.8%減の63万5000戸となり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーと情報技術が3%以上下落したほか、一般消費財・サービスと資本財・サービス、コミュニケーション・サービスも2%台後半の下げとなっています。
4.個別銘柄動向
トランプ米大統領が中国の報復措置に対して対抗措置を打ち出すとツイートしたことなどからアップル(AAPL)が4%以上下落しダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。半導体関連株も売られ、エヌビディア(NVDA)やブロードコム(AVGO)が5%以上下げたうえ、インテル(INTC)も4%近く下落し、マイクロン・テクノロジー(MU)も4%下げています。
また、中国の対米報復関税発表を受けて自動車株が安くテスラ(TSLA)が5%近く下げたほか、ゼネラル・モーターズ(GM)が3%以上、フォード(F)が3%近く下落しています。さらにギャップ(GPS)は決算で既存店売上高が市場予想を下回ったことで4%以上下げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.08%低い1.53%となりました。ドル円は大きく円高に振れ104円台後半で推移しています。朝方に104円台半ばまで円高が進む場面がありました。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円や米株価指数先物などの動向をにらみながらとなりそうですが、今月の6日や15日のように下げ渋るのか、それとも節目の20,000円を試すような展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)