日経平均は1週間で4つの窓が発生し下げ止まる
みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永です。今回も窓についての解説になります。それでは早速前回のポイントを振り返ってみたいと思います。
前回のコラムでは「下げ止まりの目途の水準で反発するようですと、5日移動平均線を上回ることも考えられそうですが、いずれにしても下げ止まりの目途で止まるかどうかがその後の値動きに影響を与えることになると思われますので要注目です」としましたが、果たして結果は…。
チャートを見ますと、8月9日と8月13日のあいだに窓をあけたあと、8月13日と翌14日にも窓をあけているのが分かります。
また、8月14日と15日のあいだにも窓があきましたが、8月20日時点では、前回のコラムで指摘したように下げ止まりの目途で反発して、5日移動平均線を上回る結果となっているのがわかります。
ただ8月20日に5日移動平均線を上回って維持するまでに、8月16日と8月19日のあいだにも窓があいており、何とこの約1週間のあいだに4つも窓があいているのです。
海外株や為替の変動を受けたコモンギャップ
このように窓があくのは個別株では珍しいことではありません。特に商いの薄い銘柄の場合、売買が少ないため、少しの買い物や売り物で窓があくことはよく見られます。
日経平均のような指数でもこれだけ窓が発生していることを考えますと、海外の株や為替の変動を受け、取引開始時から買い物や売り物に押されていると判断する必要がありそうです。
そうしたなか今回発生した4つの窓ですが、それぞれ「どの窓」なのかをいつものように確認する必要があります。みなさんはどの窓だと思いますか?そう、すぐにお分かりですね。今回発生した窓は、コモンギャップ(普通の窓)と考えてよいのではないかと思います。なぜなら、過去の値幅の範囲内であると同時に、トレンドを発生させたり加速させたりするような窓ではないからです。
またこれら4つの窓ですが、1つ目と2つ目に発生した窓は、8月19日の陰線の発生によって埋められていますが、3つ目と4つ目の窓はまだ埋められていません。コモンギャップの特徴として、発生したあとに直ぐ埋まることが多いので、この残り2つの窓も今週中に埋められてしまうかもしれません。
レンジ相場からトレンドが発生するかどうかに注目
こうして見ますと、8月6日の安値と8月14日の高値とのあいだで推移する状況が続く限り、コモンギャップが再び発生して方向感のないレンジ相場が続くのではないかと思われます。
一方でレンジを上下どちらかにブレイクするようですと、トレンドが発生しそうです。トレンドが発生したときにどのような窓が発生するのか、あるいは発生しないのか、もち合い放れのときにどのような動きになるのかを考えながら今後もチャートを見るようにし、実際のトレード時の判断に役立てるようにしたいところです。