中国の人民元「7元」攻防と米国債売却の切り札
今週の東京株式市場は国内企業の決算発表が前半でほぼ終了し、お盆休みもあって盛り上がりに欠ける展開が予想されます。
米国株も取引時間中に不安定な動きが続く中、香港での市民デモがブラックスワンとなる可能性が話題になったほか、アルゼンチンの大統領予備選で中道右派の現職大統領が劣勢となり、アルゼンチン株やアルゼンチン・ペソが急落。連休明けの日本株の雰囲気も良いはずがありません。
中国人民銀行が毎朝10時15分頃に公表する人民元取引の基準値にも神経質なムードが続きそうです。ドル・人民元は4月以来で5%程度上昇しています。仮に、10%~25%上昇した場合、対中関税10%~25%を相殺できるという見方もあるようです。
トランプ米政権がレッドラインとみなす1ドルあたり「7元」の攻防が注目されており、中国人民銀行が元安を容認しているとの観測が一層強まれば、トランプ氏の言動が波乱要因になります。トランプ米政権がドル売り介入に踏み切る場合、中国は米国への報復措置として米国債を売却するのではないかとの観測が高まっていますが、そこまで行くとさすがにまずいでしょう。
お盆週の騰落と8月の月足に見られる面白い関係
さて、日経平均の先週の動きを振り返りますと、8月6日には一時20,100円台まで突っ込む場面がありましたが、週足では下に往ってこいの動きとなりました。
前回のコラム「日経平均、短期も長期も正念場」でご案内した、アベノミクス相場が始まる直前の2012年安値水準を起点に2016年安値を通る右肩上がりの長期上昇トレンドライン付近まで調整したあとの動きです。下値のフシ目として一時的に意識しただけなのかもしれませんが、お盆週となる今週は前週の安値に対して二番底のタイミングとなるかに注目です。
お盆週というと毎年採り上げますが、お盆(8月13日~8月16日)を含む週の騰落と、8月の月足ローソク足には面白い関係があります。
2000年~2012年までの13年間、お盆の週に上昇すると8月は陽線(始値よりも終値が高い)になります。逆に、お盆の週に下落すると陰線(始値よりも終値が低い)になる傾向がありました。
アベノミクス相場が本格的に始まった2013年以降、その法則が崩れた年はありますが、昨年は後半に8連騰(8月21日~8月30日)するなど、商いが薄い中で一方通行になる可能性も高いと言えます。特にお盆週に値幅の大きくなる場合の騰落の方向には留意しておきたいところです。
日経平均、調整が一巡するタイミングは?
日柄分析では、昨年1月高値~10月高値までの「173」日を昨年12月安値からの先の期間で当てはめた9月13日前後、昨年12月戻り高値~4月高値までの「79」日を4月高値から先の期間で当てはめた8月22日前後が変化日として重要となります。
そのあたりを調整が一巡するタイミングとみるべきでしょうか。