【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 26378.19 △371.12 (8/8)
NASDAQ: 8039.16 △176.33 (8/8)
1.概況
米国市場は中国の7月の貿易統計で輸出が市場予想に反して増加したことで世界景気の減速懸念が和らいだことや、中国の人民元安への過度な懸念も後退したことから大きく上昇しました。79ドル高でスタートしたダウ平均は昼過ぎに340ドル高程度まで上げ幅を広げた後一旦上値が伸び悩みましたが、その後も大きく押すことなく堅調に推移すると引けにかけて一段高となり結局371ドル高の26,378ドルと反発しほぼ高値引けで取引を終えています。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も176ポイント高の8,039ポイントと3日続伸となり節目の8,000ポイントを回復しています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比8000件減の20万9000件となり市場予想を上回る改善となりました。また、6月の米卸売在庫は前月比横ばいとなり市場予想を下回りました。卸売売上高も前月比0.3%減となりこちらも市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもエネルギーが3%近く上昇したほか、情報技術とコミュニケーション・サービスも2%以上上げています。また、一般消費財・サービスと素材も2%近く上昇しました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが上げました。そのなかでもダウ(DOW)が4%以上上げたほか、シェブロン(CVX)も3%を超える上昇となりました。また、マイクロソフト(MSFT)とエクソンモービル(XOM)、ビザ(V)、ウォルト・ディズニー(DIS)、アップル(AAPL)、ボーイング(BA)、ナイキ(NKE)も2%を超える上昇となっています。
ダウ平均構成銘柄以外では、半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)がサーバー向けCPUの新製品をアルファベット(GOOGL)傘下のグーグルなどが採用したと発表したことで急伸し16%以上上げています。セキュリティー大手のシマンテック(SYMC)もブロードコム(AVGO)へのエンタープライズセキュリティー事業売却が近いと伝わったことで急伸し12%を超える上昇となっています。動画配信機器のロク(ROKU)も決算が市場予想を上回ったうえ、通期の業績見通しを引き上げたことで急伸し21%近く上げました。さらに配車サービス大手のリフト(LYFT)も決算で通期の売上高の見通しを引き上げたことなどで3%高となっています。一方で食品のクラフト・ハインツ(KHC)が1-6月期にのれん代の償却などで多額の減損処理費用を計上したことを暫定決算で明らかにしたことから8%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い1.71%となりました。ドル円は朝方にやや円高が進み105円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。ドル円が円高となるなかで日経平均がどこまで上値をのばせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)