再び21,350円を下回ると下値模索の可能性あり
先週、空売り比率が51.1%(7月18日)に上昇する場面がありました。50%超えは3月8日以来となり、当時は早々に反転上昇につながった経緯があります。
面白いのは、7月18日の大幅安は3月8日や3月25日の下落時と同じ水準で、同じようなローソク足の陰線を形成したことです。しかも、3月8日と比較すれば前日の動きもほぼ同じだったということ。概ね21,350~21,000円の水準は要注意ということなのでしょうか。再び21,350円を下回ると、「スルスル」と下値模索になる可能性ありでしょう。
7月18日大幅安と翌19日大幅高はテクニカル面で重要な動き
さて、7月18日の大幅安と7月19日の大幅高の動きは、たった2日間の動きでしたが、テクニカル面では重要な動きとなりました。実は、7月17日に直近安値を下回っており、その時点で7月2日高値と7月12日高値とでミニ「ダブルトップ」が確認され、いわゆる「売りサイン」となりました。
この点から7月18日の下げが加速したことは納得できます。しかし、翌日は一転して急反発。ネックライン(二番天井が確定した水準で、下げたあとのリバウンドで戻りうる限界水準)である7月10日安値21,488円まで一気に戻す格好となりました。通常は数日間でやる動きを2日間でやってしまったのです。
何が言いたいか。7月18日の大幅安と7月19日の大幅高によって、ここからの動きにも見るべきポイントが発生したということです。
複数の移動平均線を上抜ける日本特有の強気材料は?
7月19日の大幅高による陽線は3月26日の動きに似ています。今週の週明け7月22日の動きは3月27日の動きにそっくり。だったら、7月23日の動きは3月28日のような陰線、急落になるのかどうか?
ただ、そうなっても4月1日のように、当時の複数の移動平均線を一気に上回る力強いパワーが見られれば、日本株の目先の見方はポジティブに変わってきます。当時と同じように今の水準には、10日線や25日線、75日線、100日線、200日線など複数の移動平均線が集中しています。普通で考えると上抜けるには少し苦労する水準です。それゆえに上抜けるとかなり強いと考えます。
一方、アメリカ市場ではS&P500に続いてナスダックの新値3本足が下向きに陰転してしまいました。新値3本足はダマシ(調整とみせかけて上昇が続くこと)になることも多いのですが、これでダウ平均までが陰転するようだと、アメリカ株全体の調整感が伝わってくると思われます。
ちなみに、ダウ平均は26,966ドルを下回ると陰転します。アメリカ株がそんな微妙なタイミングにあるにも関わらず、それでも複数の移動平均線を日経平均株価が突破できるほどの日本特有の強気材料はあるのだろうか?
その辺、非常に難しいところですが、突破することを前提に逆算して考えれば、今週から本格化する国内企業の決算が強気材料になること以外ないような気もします。