日経平均は伸び悩むも、先週発生した窓を埋めていない
みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永です。今週も引き続き窓についての解説になります。先ずは前回のおさらいからです。
前回のコラムでは、7月1日にあけた窓を「私はブレイクアウェイギャップではないかと考えています。なぜなら、これまで押し返されていた75日移動平均線や株価水準に大きな意味があると考えるからです。」としました。
一方で、「4本の移動平均線のうち、200日や5日、75日を下回ってしまうようですと、1日にあけた窓を埋めてしまい、コモンギャップだったということになってしまうかもしれません。」としましたが、果たして結果は…。
チャートを見ると分かりますが、前述のように75日移動平均線を意味のある水準と捉え、終値で上回っていたことからブレイクアウェイギャップとしました。しかし、7月3日以降は7月1日にあけた窓を埋めてはいないものの伸び悩んでしまい、7月9日現在では5日移動平均線や200日移動平均線を下回って終えているのがわかります。
このように伸び悩んでいることからブレイクアウェイギャップではなくコモンギャップと考える人がいるかもしれません。しかし、これまで上値の抵抗となっていた21,500円の水準や75日移動平均線上を維持していることに加え、7月1日にあけた窓を埋めずに推移していることから、まだブレイクアウェイギャップと考えてよいのではないかと思われます。
5月7日と8日にあけた窓を埋めるには?
ただ、一気に窓を埋めることができなかった理由を分析しておく必要があると考えます。
なぜなら、同じ場面に遭遇したときに高値掴みを避けるため、今回伸び悩んだ理由を明確にしておくことが必要だからです。
ではなぜ一気に5月7日と8日にあけた窓を埋められなかったのか、この原因をチャート上から探ってみたいと思いますが、ひょっとすると下向きを続ける200日移動平均線に原因があるのかもしれません。
もちろん前回の執筆時に200日移動平均線が下向きを続けていたことはわかっていたわけですが、5月7日と8日のあいだの窓に接近していたことや5日移動平均線が上向きで推移していたこともあって、200日移動平均線が下向きであるにもかかわらずこのまま株価は上に伸びる可能性が高いと考えたわけです。
ところが、結果的には緩やかな下向きを続ける200日移動平均線に逆らって上昇することができず、わずかな差で窓も埋められずに押し戻されてしまったわけです。
では今後の動向についてですが、上値の抵抗になっていた21,500円や75日移動平均線を割り込むまではブレイクアウェイギャップが継続していると考えられますので、1日にあけた窓を埋めることなく200日や下向きに変化した5日移動平均線上を回復するようであれば、時間はかかるものの5月7日と8日のあいだにあけた窓を埋めることが期待されます。
200日移動平均線上を回復して維持できるかに注目
一方で繰り返しになりますが、下向きに変化した5日移動平均線が上値の抵抗になって株価を押し下げ、21,500円や75日移動平均線を終値で割り込むようですと7月1日にあけた窓を埋めることが視野に入るのではないかと思われます。
緩やかな下向きを続ける200日移動平均線ですが、200日移動平均線上を回復して維持することができるかどうかがブレイクアウェイギャップかコモンギャップかの判断のカギを握っていると思われますので、引き続き注目していきたいと思います。