前回のコラム「米ドル/円、底打ちの可能性を考える」では日足、週足、月足均衡表の位置と今後の受動的変化を提示しました。109円台半ばに達せねば底打ちの証明が得られないとし、7月5日から10日にかけての変動が特に大事であると述べました。

変化日としては次の3つを重視しています。

・7月2日 2016年12月高値から2018年3月安値まで331日の下落に対し3月安値から331日目
・7月9日 2016年12月高値から665日目
・7月23日  2016年12月高値から676日目(一巡環)、4月高値から65日目は2018年10月高値から65日の下落日数に見合う

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

実際の変動は7月3日転換線までの押しを入れ7月1日高値を上抜き、7月9日現在108円台後半までの上昇となっています。

6月11日高値は上抜いているものの、ここまでの変動は6月5日安値からのモミアイの範疇を超えるものではありません。まずその確認から。

【図表2】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

6月25日安値は6月5日V値に見合う、また2018年10月高値からのP値に見合うものとして底値の妥当性があるとしています。しかし、V値に見合うということは6月5日が目先の中心点になっているということですから、6月5日からの底値モミとして見ます。

直近の変動では7月1日まで上げた後、7月3日まで押しを入れていますが、この小さ上げの第二波動が6月5日安値位置と重なっているだけに、三波動構成計算値に達するか否かが大事なポイントになってきます。

【計算値】
7月1日 E110.284円、V109.531円
7月3日 N109.284円

【変化日】
・7月5日(6月25日から5日、5日)
・7月9日(6月25日から5日、3日、5日)
・7月11日(6月25日から7日、7日)

また下落時間に対するモミアイ時間という観点からは、5月21日から6月25日まで26日の下落に対し、6月5日から26日目が7月10日となりますから、7月9日、11日の三波動構成変化日は高値決まりする可能性が出てくるでしょう。

均衡表はよくできており、直近変動で急激に上げても先行スパン下限109.304円、上限110.107円はそれぞれN値、E値の水準であることがわかるでしょう。

図表上は7月8日の段階で転換線は基準線を上抜き、遅行スパンは相場実線を上抜く好転状態となっていますが、それをもって上昇確定にはならないということでもあります。

7月9日は6月25日からの上げ三波動構成変化日、また6月11日から11日間の下落に対し6月25日から11日目ということですから、目先において非常に大事な変化日と言えます。

もっとも明日以降上昇継続あっても三波動の上昇時間は7月11日で期待できる時間が経過してしまいますし、最大値E値を達成しても先行スパン上限が限界となります。良くてN値、先行スパン下限が限界でありまして、見方としては6月5日起点モミアイの継続という事になるでしょう。

7月9日までの上昇力は足りぬものの、一応は図表3のように受動的に下げる週足転換線を上抜いてきていますから、その点は評価してよいものと言えます。

【図表3】米ドル/円(週足)
出所:筆者作成

週足転換線は来週も108.724円で変化しませんが、重視する7月23日変化日週には108.351円まで、7月最終週には107.778円まで下げてくることが想定されます。

103.315円は6月月足実線に対する先行スパン下限水準、107.778円は6月5日安値水準でありまして、これら水準を踏み台としての上昇でなければ上昇相場は考えにくいものとなります。

7月最終週では6月25日安値からの26日が経過してくることもあり、大きく動き出すのはまだ先と見たほうが妥当と言えるでしょう。


※本文ならびにチャートの時間軸は取引日で作成しています。