前回のコラム「米ドル/円、7月の重要変化日」では6月21日安値位置の妥当性が欠けることについて述べ、安値更新では7月2日までの下落を考慮せざるを得ないと説明しました。6月25日コメントを出したのち安値を更新し、106.778円をつけたのち相場は7月1日108.531円まで戻す結果となっています。

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

6月25日安値106.778円は6月5日V値106.839円をわずかに割り込んでいるものの、これに見合うものと見て良いでしょう。2018年10月高値からの大きなP波動(高値切り下げ、安値切り上げ)ととらえれば、P計算値106.718円ですから、この水準で止まっていると見ることができます。

一応基準線までの戻りは見せており、6月5日からの底値モミの可能性は考えてよい状態になったとみて良いでしょう。

問題は7月1日までの上昇で、小さいながらも三波動をとっていることであり、7月1日は6月5日から19日目と5月30日からの19日目の下落に見合う時間関係でもあります。このまま高値を更新できず基準線割れとなれば基準線は7月5日から下げてきますから、基準線の下落に沿って下げる可能性も現時点では考えねばなりません。

前回、7月変化日を、

・7月2日 2016年12月高値から2018年3月安値まで331日の下落に対し、3月安値から331日目
・7月9日 2016年12月高値から665日目
・7月23日 2016年12月高値から676日目(一巡環)、4月高値から65日目は2018年10月高値から65日の下落日数に見合う

としましたが、均衡表に即せば7月5日・10日もまた大事ということになります。

目先においては6月11日高値を上抜くか否かが大事であり、6月11日から25日まで11日間の下落に対し、6月25日安値から11日目7月10日の反応が重要です。6月11日を上抜いたとしても先行スパン下限水準以下では6月5日からのY(外孕み)でしかないため、モミアイの範疇を超えることにはなりません。

日足、週足、月足ともに好転は非常に困難であり、日足で好転の兆しを出したに過ぎぬ点よくご確認ください。

現時点で今後を想定するヒントらしきものがまだ出ておりませんので、今回は各均衡表の整理をしておきましょう。

日足は現在位置で推移、または上昇するならば、7月5日に確実に遅行スパンが相場実線と交わってきます。遅行スパンが相場実線に値が被るときは、ほぼ確実に基準線と転換線も近接しますから、目先においては7月5日から10日にかけての反応が大事になるでしょう。

図は週足となります。

【図表2】米ドル/円(週足)
出所:筆者作成

先週の変動で遅行スパンと相場実線が交わり基準線と転換線が交わってきました。基準線109.588円は先行スパン109.558円とほぼ同水準となりますが、今週から16週ほど動かぬことが予想されます(4月高値を上抜かず6月安値を割り込まない場合)。

転換線は7月最終週まで受動的に下げますが、転換線を超えられず下げる形はどの均衡表でも特に注意せねばなりません。図にはありませんが9週足の陽転も現時点では程遠く、少なくとも週足転換線を上抜かねば底打ちの形を作れないと見るべきでしょう。

月足もまた基準線を転換線が割り込み、相場実線は先行スパンを割り込んでいます。

【図表3】米ドル/円(月足)
出所:筆者作成

遅行スパンは7月109.387円から受動的に下げてくることが想定されます。また、先月の相場実線に対する先行スパン下限は108.351円でしたが、7月の相場実線に対する先行スパン下限は109.147円となっています。

懸念すべきは遅行スパンで、26ヶ月足陰連は7月で7陰連目(26本前の寄り付きと終値で比較)、その前のが7陽連ですから下げ時代を明確化しかねない位置にあるということでもあります。

各チャートを見る限り、109円半ばまでの戻りを見せねば底打ちの証明が得られぬことがわかりますが、目先においては今週末、来週初めの位置と反応が大事です。7月5日までの上昇あれば一応底値モミを考えてよいことになりますが、現時点では何とも言い切れません。