RSI(相対力指数)で底入れのサインを見る

前回のコラム「日経平均、底入れ判断に信頼度抜群な指標」でご案内した「騰落レシオ」に続いて、底入れのサインとして用いることができるのが、RSI(相対力指数)です。

騰落レシオが値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の比率で表すのに対して、RSI(相対力指数)は、特定の指数や個別株の値上がり幅と値下がり幅を比べて、現在、過熱ゾーンにあるか底値ゾーンにあるかを判断します。

計算式は、ある特定期間の値上がり幅÷(値上がり幅と値下がり幅の合計)×100(%)となります。期間は自由に設定することが可能ですが、13日または14日が一般的で、9日なども利用頻度が高いです。50%を中心に動き、一般的に70%以上が買われすぎ、30%以下を売られすぎと判断します。

図表1のように、東証1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)、また株価に影響する米ドル/円相場を25日間でみると、ともに連動しながら、足元は底値ゾーンにあることがわかります。

【図表1】TOPIXと米ドル/円のRSI指標(25日):2018年8月1日~2019年5月20日
出所:QUICK Astra ManagerよりDZHフィナンシャルリサーチ作成

騰落レシオでみると、2018年以降の最低水準は65.5%~75.0%で株価が反発した経緯があり、5月16日現在で73.9%程度まで低下する場面がありました。

12月の株価急落直後に65%まで低下したこともありましたが、連休明けの株価の下落が当時ほど大きくありませんので、足元はすでに反転上昇し始めているとみることができます。短期的には円安をともなう株式市場の上昇局面に入っていくことが予想できそうです。

さて、このコラムの執筆が終わったのが5月21日前場なのですが、機械や電機株がザラ場中に一段と下げなくなってきました。明日寄り前に発表される注目の4月貿易統計や3月機械受注が、もしかして反転のきっかけになるかもしれませんね。