【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25679.90 ▼84.10 (5/20)
NASDAQ: 7702.38 ▼113.91 (5/20)
1.概況
昨日の米国市場は米企業と中国ファーウェイの取引停止が相次いでいることが警戒され続落しました。108ドル安と続落して始まったダウ平均は取引開始後に下げ幅を縮めると一時は12ドル安をつける場面がありました。しかしプラス圏に浮上できなかったダウ平均はその後は小幅安での推移が続き取引終盤に再びやや下げ幅を広げると結局84ドル安の25,679ドルで取引を終えました。ダウ平均の下落率は0.3%にとどまりましたが、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は1.5%安の7,702ポイントと大幅安となりました。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げました。中でも情報技術、不動産、素材、コミュニケーション・サービスは1%を超える下げとなりました。一方で公益事業、金融、エネルギーの3業種は上昇しました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均を構成する30銘柄のうち20銘柄が下げました。ファーウェイ問題を受けハイテク株が売られ、アップル(AAPL)が3%を超える下げで下落率トップとなったほかインテル(INTC)も3%近く売られました。マイクロソフト(MSFT)も1%超下げています。一方でユナイテッドヘルス・グループ(UNH)やベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)はともに1%台の上昇となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、半導体関連やハイテク株の多くが売られました。クアルコム(QCOM)とブロードコム(AVGO)がともに6%安となったほか、ファーウェイとの間で一部事業を凍結すると発表したアルファベット(GOOGL)も2%超下げました。一方でソフトバンクグループ(9984)傘下のスプリント(S)が19%近い大幅高となりました。米連邦通信委員会の委員長がTモバイルUS(TMUS)とスプリントの合併を承認する意向を示唆したことが好感されました。TモバイルUSも4%近く上昇しました。
5.為替・金利等
米長期金利は前日比0.02%高い2.41%となりました。ドル円は110円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
昨日の米国市場で主要株価指数が下落したことを受け本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。米国市場で半導体株が売られた流れを受け日本市場でも同様の傾向になるとみられます。こうしたなかで日経平均等の主要指数が下値模索とならず踏みとどまれるか注目されます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)