【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26449.54  ▼3.12 (4/17)
NASDAQ: 7996.08  ▼4.15 (4/17)

1.概況

米国市場はIBM(IBM)やヘルスケア株の下落が重石となるなか小幅反落となりました。ダウ平均は一日を通して前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開となり3ドル安の26,449ドルとなりほぼ横ばいで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も4ポイント安の7,996ポイントとほぼ横ばいとなっています。

2.経済指標等

2月の米貿易収支の赤字額は前月比3.4%減の493億8200万ドルとなり、赤字額は市場予想を下回りました。また、2月の米卸売在庫は前月比0.2%増に止まり市場予想を下回っています。卸売売上高は前月比0.3%増となり市場予想と一致しました。さらに米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備理事会(FRB)は、経済活動はわずかもしくは穏やかなペースで拡大したとし、2-3の地区で前回からやや強含んだとしています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術や生活必需品、一般消費財・サービスなどの6業種が上げました。一方で5業種が下げヘルスケアが3%近く下落したほか、不動産も1%近く下げています。

4.個別銘柄動向

民主党のサンダース上院議員が導入を唱えている国民皆保険制度を警戒した売りが続きヘルスケア株の下げが目立ちました。メルク(MRK)が4%を超える下落となりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、ファイザー(PFE)が2%以上、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も2%近く下落しています。また、決算で売上高が市場予想を下回ったIBMも4%以上下落し、メルクとIBM、ファイザー、ユナイテッドヘルス・グループの4銘柄でダウ平均を100ドル程度押し下げています。

さらにTモバイルUS(TMUS)との合併について米司法省が現在の枠組みでは承認が難しいとの見方を示したと伝わったことでソフトバンクグループ(9984)傘下のスプリント(S)が6%以上下げています。TモバイルUSも2%を上回る下落となりました。

一方でスマホ向け通信半導体の特許使用料を巡る訴訟でアップル(AAPL)と和解したことで前日に急伸したクアルコム(QCOM)は投資判断の引き上げもあって買いが続き12%以上上げています。決算で1株利益が市場予想を上回ったモルガン・スタンレー(MS)も3%近く上げたうえ、決算が市場予想を上回る増収増益となった飲料のペプシコ(PEP)も4%近く上昇しました。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの2.59%となりました。ドル円は112円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場がほぼ横ばいとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が昨日までの堅調な地合いを維持して連日での年初来高値更新となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)