60歳以上有職男女の「働けるうちはいつまでも」

花冷えのおかげで桜の花も散らず、華やかな雰囲気で新年度を迎えられましたね。新社会人、そして新入生の皆様、おめでとうございます。緊張感と同時にモチベーションも上がっていることでしょう。人生100年時代と言われている今、そうした前向きな気持ち・行動をより長く保ち続けたいものです。

興味深い統計結果があります。「何歳頃まで収入を伴う仕事をしたいか」という内閣府による調査(『老後の生活設計と公的年金に関する世論調査』平成30年11月、全国18歳以上の日本国内居住の日本国籍男女5,000人に対する個別面接聴取)で、全体平均では62.9歳だったとのことです。

この数字は個人的には少々意外でした。60歳以上の仕事をしている男女に対する同じ質問の調査(内閣府『平成30年版高齢社会白書』)では「働けるうちはいつまでも」が42.0%と一番多い回答とのことです。ちなみに次に多いのが「70歳くらいまで」で21.9%、その次が「65歳くらいまで」で13.5%とのこと。

前者の調査対象年齢は18歳~70歳以上と幅広く、年齢が低いほど低く、高いほど高い値となっていて、年齢が上がるにつれ、より現実的にならざるを得ないということですね。

日本人は一般に公的年金に対する不安が大きく、「老後破綻」も多く報道されています。実際のところ、早いタイミングで予測、計画をしておかないと心配なケースは多々あります。国も「雇用継続」「定年延長」の旗振りをしていますし、今後はそうした取り組みはますます重要となってくると思われます。

他国の気楽な感覚は一見楽しそうだが…

とはいえ、実は国際比較をしてみると、すでに日本は高齢者の就業率は欧米諸国に比べるとかなり高い水準です。

2009年のギリシャ危機の時、国の財政赤字が危険な状態に陥っても、危機感を持たず、カフェで楽しそうにおしゃべりにいそしむ人々を報道で見て、国民性の違いかと驚いたものです。挙句は緊縮財政に反発、反対する政権を誕生させてしまいました(その後の米国や英国の国民の選択を見ていれば、今ならそれほど驚かないのですが…)。

ギリシャは後に、EUの要求する緊縮財政を容認し、経済は立て直しつつありますが、最近の世界的な経済の不安定さがまたギリシャに影響するかもしれません。

日本でも今後、経済不況や国の財政悪化が深刻化することがあるかもしれませんが、公的年金制度が完全に崩壊するとは思いません。ただ、現在の給付金額ですら国民年金だけでは「ゆとりのある生活」にはとても余裕がないのも事実。年金支給開始年齢の引き上げや減額の可能性はないとは言えません。

他国の気楽な感覚は一見楽しそうではありますが、結果として苦しい生活を強いられることにつながりかねず、現在日本人が持つ自助努力の必要性という意識は大切なものです。必要以上に不安になることはありませんが、そのためにも早めに計画、準備をすること、なるべく長く収入を確保するという姿勢は安心とゆとりにつながります。

人生100年時代では50歳でもまだ半分ですから、前向きに、そして早めに第2、第3の人生のプランを考えていくようにしたいですね。