【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25928.68  △211.22 (3/29)
NASDAQ: 7729.32  △60.16 (3/29)

1.概況

先週末の米国市場はムニューシン米財務長官が北京での貿易交渉を建設的に終えたとツイッターに投稿したことを受けて閣僚級の米中貿易交渉が順調だったとの見方が広がり続伸となりました。ダウ平均は109ドル高でスタートすると一日を通してじりじりと上げ幅を広げる展開となり211ドル高の25,928ドルと高値圏で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も60ポイント高の7,729ポイントとなっています。

2.経済指標等

1月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.1%増に止まり市場予想を下回りました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレータも前年同月比1.8%上昇に止まり市場予想を下回っています。また、2月の米個人所得は前月比0.2%増となりました。さらに3月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)も58.7と前月から低下し市場予想を下回っています。一方で2月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比4.9%増の66万7千戸となり市場予想を上回りました。3月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も98.4と速報値から0.6ポイント上方修正され市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、ヘルスケアと資本財・サービスが1%を超える上昇となったほか、情報技術も1%近く上げました。一方でエネルギーと不動産が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はスリーエム(MMM)を除く29銘柄が上げました。そのなかでも米中貿易協議進展への期待からキャタピラー(CAT)が2%以上上げたほか、ボーイング(BA)も2%近く上昇しています。また、ダウ平均構成銘柄以外ではマイクロン・テクノロジー(MU)とウエスタンデジタル(WDC)がともに5%高となるなど半導体関連株の上昇が目立ちました。なお、ナスダック市場に上場した配車サービス大手のリフト(LYFT)は公開価格の72ドルを21%余り上回る87.24ドルで寄り付くと78.29ドルで取引を終えています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.01%高い2.40%となりました。ドル円は110円90銭台で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか本日は寄り付き前の8時50分に日銀短観が発表されます。大企業・製造業の業況判断(DI)で大幅な悪化が見込まれていることもあって注目されます。また、10時45分には財新中国製造業PMIが発表されるほか、11時半ごろには新元号が発表されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)