ダウ平均、ナスダックともに高値圏で強い動き
欧州の景気後退懸念や米国の長期金利の低下、VIX指数の上昇などでリスク回避ムードが強まっていますが、日本株を見る上ではやはり米国株の今後が重要とみられます。
ダウ平均、ナスダックともに、昨年の史上最高値からの大幅な下落幅に対して85%戻しという、強い動きがありました。足元は、ダウ平均が先行して調整局面にありますが、依然として長期トレンドを示す200日線を上回り、直近高値からの下落率も2%程度と軽微に済んでいます。
こんな高値圏で強い米国の株式市場。ほんとに景気減速を織り込んでいるなら、とっくに株価はもっと下げているはず。景気が悪くなるからといって、高値圏で持ち株を簡単に利益確定売りができる、そんな簡単な相場はありません。
株価には先行性があるため、実際の景気減速を認識するのは、大抵は株価が大幅に調整したあと。だったら、あの時に売っておけば良かったと後悔する、その繰り返しなのです。
景気悪化を十分に認識しながら、高値圏で売り切れる相場なんてない。むしろ、そういうときは、強い株価を認識し、景気悪化は一時的なものと判断する方がよいのでは。
話を戻すと、ハイテク株主体のナスダックに関しては、200日線はもちろん、昨年12月安値からの上昇トレンドライン上なども維持しており、米国株市場は依然として強気局面継続と見ることができます。
日経平均は弱気局面から抜け出せない状態
一方、日経平均の方は少し事情が違います。下落基調にある200日線を逆に下回る弱気局面から抜け出せない状態にあります。だから、3月25日のように前日のダウ平均以上に下げるような現象が出てくるのです。
今後、ダウやナスダックの強気局面が維持されれば、日経平均の予想PERをボリンジャーバンドのマイナス2シグマで見た過去の下限値(図表1)でもある21,000円付近をサポートに、10連休を意識しながらもみ合いを維持できる想定ができます。
しかし、ダウ平均が200日線を明確に下回った場合、弱気局面にある日経平均は相対的に大きく下げる可能性がある点には注意が必要です。