【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25709.94  △7.05 (3/14)
NASDAQ: 7630.91  ▼12.50 (3/14)

1.概況

米国市場は米中首脳会談が4月以降に延期されたと伝わり米中貿易協議の早期決着期待が後退したことが相場の重石となるなか小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は朝方こそ80ドル安余りまで売られる場面もありましたが、それ以降は前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開となり結局7ドル高の25,709ドルと続伸となっています。一方でS&P500株価指数が2ポイント安の2,808ポイントと4日ぶりに反落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も12ポイント安の7,630ポイントとこちらも4日ぶりの反落となっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比6000件増の22万9000件となり市場予想を上回る悪化となりました。また、1月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比6.9%減の60万7000戸となり市場予想を下回りました。一方で2月の米輸入物価指数は前月比0.6%上昇し市場予想を上回っています。米輸出物価指数も前月比0.6%上昇し市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材やコミュニケーション・サービス、資本財・サービスなどの7業種が下げました。一方で金融や情報技術などの4業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ゼネラル・エレクトリック(GE)が2020年以降のフリーキャッシュフローが改善する見通しを示したことで買われ3%近く上げました。写真共有アプリのスナップチャットを展開するスナップ(SNAP)も投資判断の引き上げを受けて急伸し12%以上上げています。動画配信機器のロク(ROKU)も目標株価の引き上げを受けて2%近く上昇しました。

一方で1ドルショップのダラー・ゼネラル(DG)が決算で1株利益が市場予想を下回ったことなどで7%以上下げています。フェイスブック(FB)も約150社にユーザー情報へのアクセスを特別に認めていた問題を米検察当局が捜査していると伝わり2%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%高い2.63%となりました。ドル円は111円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は昨日に大きく上げ幅を縮めていることもあって買い優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか本日は昼ごろに日銀の金融政策決定会合の結果が発表されます。金融政策に変更はないとみられますが、景気認識の一部を引き下げるとの見方もあり注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)