【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

前回のコラム「米ドル/円、3月1日高値の重要性」では3月1日高値決まりを懸念、遅行スパンが先行スパンを超えられるかどうか、またその超え方が大事と述べました。

実際の変動は3月5日にわずかながら3月1日高値を超えたものの、遅行スパンは先行スパンを超えきれず転換線を割り込む結果となりました。

受動的に上昇してきた基準線を割り込まずに推移してはいますが、遅行スパンは先行スパンを超えておりません。

遅行スパンが先行スパンに沿って下げる(つまり相場実線が現在位置から下げる)ケースは多々あることです。また、遅行スパンが先行スパンと交わる日が変化日であることもここでは特に注意が必要といえるでしょう。

3月13日は2013年10月9日安値から2016年安値まで706日に対し、2016年安値から706日目の大きな三波動構成変化日となります。しかし、2013年10月9日安値は、2013年相場におけるP波動の連続過程(三角持ち合い)における1つの安値に過ぎず、決定的な相場の起点と置くには難があります。

しかしながら、3月1日変化日の高値決まり(終値では3月1日が高値)を経て来ているだけに、13日からの騰落は目先変動において非常に大事とせねばなりません。

3月13日からの上昇ならば1月3日からの上昇継続ということになります。しかし、これまで述べてきているように1月3日からの波動数を重ねすぎていることがネックとなります。

細かく変化日、計算値が出てくるかでありますが、1月3日から65日目(2018年10月高値から1月3日まで65日の下落)4月5日、76日目4月22日までの上昇余力がある可能性は、考えてよいでしょう。

9週足は現在3陽連目となっています。現在位置からの上昇ならば9陽連が出る可能性が高いのです。

9陽連目が4月22日週となります。9週足は2018年4月16日週の陽転から17陽連、1陰、3陽連、1陰、10陽連、2陰、1陽、10陰連を経ての現在の陽連ですから、前10陰連に対し10陽連が出る可能性は高いといえます。

逆に下げるケースでは3月13日を中心とする下げ時間、下げ幅にとどまるかどうかが大事となります。

3月1日から見れば、3月13日まで8日、3月13日から8日目の3月22日が大事、3月5日から見れば6日、6日で3月20日が大事ということになります。

中間波動の観点からは、2018年12月13日から1月3日までの下落日数15日以上の下落は下げが優先されることになります。

従って13日から下げるケースでは、3月22日以降の下落は4月5日までの下げに直結しやすいものとなります。

各線の交わりは目先の中心を示唆

今回久しぶりに基本事項を。

【図表2】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

均衡表各線は原則的には押し、戻りの限界を見るものとなります。

1月3日安値からの変動では、ここまで一度も基準線を割らず、転換線を押し目とする変動を続けてきました。

途中何度か転換線を割り込む局面がありましたが、終値で高値から転換線までの下げ幅以上に下げる、あるいは高値から転換線割れまでの時間以上下げることは一度もありませんでした。

均衡表各線は押し、戻りとして働かないケースでは目先の中心を示唆するものであることをご確認ください。

これは転換線、基準線に限った話ではなく遅行スパン、先行スパンも同様です。

2月4日に遅行スパンは相場実線と交わっていますが安値から遅行スパン好転までの日数が遅行スパン好転から高値までの日数と同じになるケースは多々あります。

この日足変動では、1月10日安値から2月4日まで19日に対し、2月4日から19日目が3月1日となっています。1月3日から見れば24日、24日で今日1月12日がひとまずの限界となります。

ここで大事なことは、終値ベースでみても遅行スパン後の上昇力は安値から遅行スパンまでの値幅に限定されていることです。

ある局面で上昇極端化という現れ方(原則的には三波動の時間内に計算値を超えるという現れ方)がなければ方向性は明確化しません。その意味でも図表だけで判断してはいけないということになるかと思います。

今回は、それぞれの線が目先の中心になるということを覚え、ご自身で確認してください。