【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

前回のコラム「米ドル/円、3月の重要変化日」では、3月の長期変遷上の重要変化日として3月1日と13日を提示、2018年12月25日からの底値モミ分岐点として3月6日(51日目)、26日(65日目)を重視しました。

月足基準線は3月に入れば受動的に下げ、2月末時点の相場実線との反応を試されることはわかっていましたから、基準線の受動的下落に沿って下げるか上抜くかは非常に大事なポイントでありました。

実際の変動は3月1日比較的大幅の陽線を出し112.076円をつけましたが、その後続伸なく小幅の変動を続けています。

3月1日の上昇では週足でも大きな変化がありました。

前回提示した週足均衡表の変化は次の図となります。

【図表2】米ドル/円(週足)
出所:筆者作成

3月1日に高値を更新し、この週での転換線は107.899円から108.322円まで上昇しました(このような変化を能動的変化といいます)。それによって今週の転換線は109.922円まで上昇し基準線を上抜き均衡表の好転が成されています。

2018年10月高値を上抜かねば月足均衡表の好転には至りません。しかし、少なくとも受動的に下げる月足基準線に上値を圧迫されず、週足均衡表の好転が成されたということで上昇相場の可能性は出てきたことになったとはいえるでしょう。

問題は3月1日から続伸できていないこと、特にここでは3月1日まで波動数を重ねすぎていること、長期変遷上の重要変化日でもあり高値決まりとなってしまう可能性を残していることが懸念要素となります。

2019年1月3日安値から3月1日までは細かく見れば11波動、三波動としてみれば1月3日から21日、22日、1月31日から11日、12日の2つの三波動が重なるものとなっています。

いずれのE値も達成できておらずということですから、上昇そのものをより評価できるという形に至っておらず、しかも日足遅行スパンは今後先行スパとの反応を試されることになります。

従って3月1日高値を越えられるかどうか、またその超え方がここでは特に大事ということになります。

3月13日は3月1日から9日目でもありまして、3月1日高値を越えられない状態が続けば必ずこの間転換線との反応が試されることになります。

3月1日高値を上抜けずに転換線割れならば、3月1日高値は上げ第一波動終了とみなします。

3月1日高値を上抜くようなら、ここでは変化日よりも計算値を細かく出して対応したほうが良いでしょう。

1月3日の下髭部分を無視すれば、ここまでの上昇は三波動の定型に完全に収まっているだけに基本波動を明確にすることができません。