世界の市場は指導者たちの発言に大きく振り回される
外交とは…良識ある知識人が冷静にお互いの利益、周囲の国々との協調を高めるための高尚な話し合いの場であると信じていたのが間違いであったのか、現実は、そうではないと強く再認識させられた会談がホーチミンで行われました。
そもそもの登場人物が自国主義を貫く2人。得意のビジネス手腕を巧妙に使いながらも最後は「妥協しなかった」というのが会談の結末でしょうか。
最近は隣国をはじめ、世界各地でこうした自国主義を前面に出した指導者が増えてしまい、残念ながら未来を楽観しにくい環境ではあると感じます。
世界の市場は、それでもこうした指導者たちの発言に大きく振り回されます。過去には市場の信認の薄い要人ですと、たとえ日銀総裁の発言でも市場がたいして動かないこともありました。しかし市場のボーダーレス化が進み、牽制的な発言、本意ではない発言とわかっていても、とりあえず経済大国の要人の発言には注目、反応するようになっているため、注意しておくに越したことはありません。
多様な注文方法を活用して突発事項に備える
投資を行うに際して、そうした用心はどのようにすべきか、です。
予想外の要人発言、予想と大きく異なる経済指標、中央銀行の介入、そして自然災害の発生など突発事項は色々と起こりえます。
ご承知の通り、リスクというのは「暴落」だけではなく、「暴騰」も含めた急激な変動を指します。保有財産が暴騰すれば大儲けですが、それも含めてのリスクです。
暴騰してすぐにまた戻るような値動きで、高値で売り抜けたいということであれば、当然上昇時に対する用意も必要となります。
株式投資であれFX投資であれ、相場と向き合う投資の場合、その注文方法は多様に用意されているので活用しない手はありません。
・損切りのためのストップロス/逆指値注文
・利益確保のための指値(逆指値)やツイン指値、OCO注文
投資する資金自体を適正金額にとどめておくことも大切です。特にFX投資や信用取引では、レバレッジをかけることで自前の資金を超えた金額を運用することが可能ですが、これは相場急変で大きな損失につながることになる要因です。レバレッジを大きくするのはそれだけ借金をしての投資になるという自覚を持ちましょう。
投資資金に余力を持たせることは家計管理、長期マネープラン上でも気を付けるべき点です。
上記突発事項のうち、タイミングだけは読めるものが経済指標発表や議会証言といった決められた要人発言です(災害や介入などは読めないので)。
そうした時にポジションを傾けるということは、賭けに出る=リスクを取りに行っていることです。なので、リスクを取りたくないときはポジションを持たないというのも1つの方法です。
為替市場で仕事していた頃、外国人ディーラーたちはクリスマスシーズンにはさっさとポジションを手仕舞って休暇に入ってしまい、そのせいで市場が閑散となりました。自身のポジションを余計なリスクにさらさない確実な方法ではありますね。
日々のリスクヘッジはもちろんのこと、今年の5月の10連休という日本のみが動かなくなる時期については事前に十分に考えて対応するようにしたいですね。