【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25916.00  ▼69.16 (2/28)
NASDAQ: 7532.53  ▼21.98 (2/28)

1.概況

米国市場は新たな買い材料に乏しいなか小幅に下落しました。ダウ平均はほぼ横ばいでスタートすると朝方に44ドル高まで買われる場面もありましたが、買いが続かず上値が伸び悩むと売りが優勢となりその後はマイナス圏での推移となりました。引け間際に88ドル安まで売られる場面もあったダウ平均は結局69ドル安の25,916ドルで取引を終え3日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も21ポイント安の7,532ポイントと反落となりました。

2.経済指標等

2018年10-12月期の米実質国内総生産(GDP)は年率換算で前期比2.6%増となり7-9月期の3.4%増から成長が減速したものの市場予想を上回りました。また、2月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)も64.7と前月から上昇し市場予想を上回っています。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比8000件増の22万5000件となり市場予想を上回る悪化となりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、素材が1%以上下落したほか、エネルギーも1%近く下げました。一方で公益事業と生活必需品、不動産の3業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では目標株価の引き上げを受けてボーイング(BA)が1%高となり上昇率トップとなりました。また、ファイザー(PFE)やマクドナルド(MCD)なども1%近く上げています。一方で国民皆健康保険制度法案の提出を受けて前日に大幅安となったユナイテッド・ヘルス・グループ(UNH)は売りが止まらず3%を超える下げとなり下落率トップとなったほか、ダウ・デュポン(DWDP)も3%近く下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、決算で既存店売上高や1株利益が市場予想を上回った百貨店のJCペニー(JCP)が急伸し22%以上上げています。エナジー飲料のモンスター・ビバレッジ(MNST)も決算が市場予想を上回る増収増益となったことで急伸し9%近く上げています。パソコン・プリンター大手のHP(HPQ)は決算で売上高や1株利益が市場予想を下回ったことで急落し17%余り下げています。

5.為替・金利等

長期金利は市場予想を上回る米GDPを受けて0.03%高い2.71%となりました。こうしたなかドル円では円安が進み111円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場はドル円が円安に振れていることから上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の21,500円を回復できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)