【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25850.63 ▼103.81 (2/21)
NASDAQ: 7459.71 ▼29.36 (2/21)
1.概況
米国市場は冴えない経済指標が相次いだことで反落となりました。ダウ平均は32ドル安でスタートし130ドル安程度まで下げ幅を広げると一旦下げ渋りましたが、その後も軟調な展開を続けると取引終盤に一段安となり一時は190ドル安余りまで下落する場面もありました。引けにかけて持ち直したダウ平均ですが結局103ドル安の25,850ドルで取引を終え4日ぶりの反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も29ポイント安の7,459ポイントとなり9日ぶりに反落となりました。
2.経済指標等
2018年12月の米耐久財受注額は前月比1.2%増に止まり市場予想を下回りました。民間設備投資の先行指標となる非国防資本財から航空機を除いたコア受注も前月比0.7%減となり増加を見込んでいた市場予想を下回っています。また、2月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数もマイナス4.1と2016年5月以来のマイナス圏となり市場予想を下回りました。2月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値も53.7となり市場予想を下回っています。
さらに1月の米中古住宅販売件数も年率換算で前月比1.2%減の494万戸となり市場予想を下回りました。1月の米景気先行指標総合指数も前月比0.1%低下し上昇を見込んでいた市場予想を下回っています。
一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万3000件減の21万6000件となり市場予想を上回る改善となりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーやヘルスケア、コミュニケーション・サービスなどの7業種が下げ、エネルギーは1%を超える下落となりました。一方で公益事業や生活必需品などの4業種が上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではマイクロソフト(MSFT)が投資収益に比べて株価が割安との指摘を受けて2%余り上げ上昇率トップとなりました。また、コカ・コーラ(KO)も配当を引き上げると発表したことや自社株購入枠を設定したことで1%を超える上昇となりました。一方でウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)やダウ・デュポン(DWDP)が2%近く下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、宅配ピザのドミノ・ピザ(DPZ)が決算で既存店売上高や1株利益が市場予想を下回ったことで9%余り下げています。クルーズ大手のノルウェージャン・クルーズ・ライン(NCLH)は決算で1株利益が市場予想を上回ったことで3%を超える上昇となりました。レンタカーのエイビス・バジェット・グループ(CAR)も決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで急伸し17%余り上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%高い2.69%となりました。ドル円は110円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)