【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25439.39  ▼103.88 (2/14)
NASDAQ: 7426.96  △6.58 (2/14)

1.概況

米国市場は冴えない米小売売上高が相場の重石となるなか高安まちまちとなりました。ダウ平均は82ドル安でスタートするとまもなくして235ドル安まで下げ幅を広げました。その後持ち直す展開となったダウ平均は取引終盤に小幅にプラスとなる場面もありましたが、上値は重く引けにかけて下げ幅を広げると結局103ドル安の25,439ドルと3日ぶりに反落して取引を終えています。また、S&P500株価指数も7ポイント安の2,745ポイントと5日ぶりに反落となっています。

一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は6ポイント高の7,426ポイントと5日続伸となりました。

2.経済指標等

2018年12月の米小売売上高は前月比1.2%減となり2009年9月以来9年3カ月ぶりの大幅な減少となり増加を見込んでいた市場予想を下回りました。また、1月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.1%低下し上昇を見込んでいた市場予想を下回りました。2018年11月の米企業在庫も前月比0.1%減となり増加を見込んでいた市場予想を下回っています。先週一週間の米新規失業保険申請件数も前週比4000件増の23万9000件となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品や金融、資本財・サービスなどの6業種が下げ、生活必需品と金融は1%を超える下落となりました。一方で不動産やヘルスケア、コミュニケーション・サービスなどの5業種が上げています。

4.個別銘柄動向

コカ・コーラ(KO)が決算で2019年12月期の見通しが市場予想を下回ったことで8%を超える下げとなりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、決算が市場予想に反して最終赤字となった保険大手のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が急落し9%安となっています。さらに外部記憶装置を手掛けるネットアップ(NTAP)も決算で売上高が市場予想を下回ったことで5%以上下げています。

一方で市場予想を上回る決算を発表したシスコシステムズ(CSCO)が2%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。なお、取引終了後に決算を発表した画像処理半導体大手のエヌビディア(NVDA)は1株利益が市場予想を上回ったことなどから時間外で大幅高となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%低い2.65%となりました。ドル円は110円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国市場でダウ平均が三桁の下げとなったことやドル円も円高となっていることから本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の21,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)