【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25543.27  △117.51 (2/13)
NASDAQ: 7420.38  △5.76 (2/13)

1.概況

米国市場は政府機関の閉鎖回避や米中貿易協議の進展が引き続き期待され続伸となりました。ダウ平均は55ドル高でスタートするとまもなくして200ドル高まで上げ幅を広げましたが、利益確定の売りに押されて昼前には始値近辺まで上げ幅を縮めました。その後、取引終盤に持ち直すと再び180ドル高近くまで買われましたが、引けにかけて上げ幅を縮めると結局117ドル高の25,543ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も5ポイント高の7,420ポイントと4日続伸となっています。

2.経済指標等

1月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.6%上昇となり市場予想を上回りました。変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数も前年同月比2.2%上昇し市場予想を上回っています。また、2018年12月の米財政収支の赤字額は140億ドルとなり市場予想を上回る赤字となりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや資本財・サービス、一般消費財・サービスなどの9業種が上げ、エネルギーは1%を超える上昇となりました。一方で公益事業とコミュニケーション・サービスが下げています。

4.個別銘柄動向

ホテルチェーン大手のヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス(HLT)が決算で1株利益が市場予想を上回ったことで6%以上上げました。玩具大手のマテル(MAT)もトイザラスブランド復活を計画していると公表したことで3%を上回る上昇となりました。また、鉱山大手のフリーポート・マクモラン(FCX)も投資判断の引き上げを受けて7%近く上げています。
一方で旅行サイト大手のトリップアドバイザー(TRIP)が決算で1株利益が市場予想を下回ったことで5%以上下げました。決算で利益が市場予想に届かなかったクーポンサイトのグルーポン(GRPN)も急落し11%余り下げています。さらに衛星テレビのディッシュ・ネットワーク(DISH)も決算で1株利益が市場予想を下回ったことで7%以上下げました。
なお、取引終了後に決算を発表したシスコシステムズ(CSCO)は決算が市場予想を上回ったことなどで時間外で大きく上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%高い2.70%となりました。ドル円は円安が進み111円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国市場が続伸となりドル円も円安に振れているものの、本日の日本市場は日経平均が昨日までの2日間で800円以上上げた後ということもあって小動きでのスタートが予想されます。利益確定の売りが出やすいなかで日経平均が堅調な地合いを維持できるかがポイントとなりそうです。また、本日は寄り付き前の8時50分に2018年10-12月期のGDPが発表される予定で注目されます

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)