東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は216円高の2万773円と反発しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日8%の大幅安となったマザーズ指数も本日は1.6%上昇しました。

昨日行われた連邦公開市場委員会(FOMC)でバランスシートの縮小ペースの見直しや利上げ打ち止めが示唆されたことが好感され、米国市場が大幅高となったことを受け日経平均は276円高の2万832円と反発して寄り付きました。日経平均は寄り付き後まもなく312円高まで上げ幅を広げましたが、その後は上げ幅を縮める展開となりました。一時は上げ幅を126円高まで縮めた日経平均はやや盛り返して前場を184円高で終えました。日経平均は後場に入ると再び朝方につけた高値圏まで上げ幅を広げるなど堅調な推移となり結局216円高で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆5574億円となりました。

東証33業種は電気・ガス業と医薬品を除く31業種が上昇しました。中でも石油石炭製品や鉱業、金属製品、非鉄金属、電気機器、海運業は2%超上昇しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が5%近く上昇したほか、任天堂(7974)、ソニー(6758)、トヨタ自動車(7203)、アドバンテスト(6857)が上昇しました。

一方で武田薬品(4502)、ソフトバンク(9434)、大日本住友製薬(4506)、東京電力ホールディングス(9501)が下落しました。中でも臨床試験の不調により昨日急落したサンバイオ(4592)と共同で再生細胞医薬品の開発を行っている大日本住友製薬は17%近い大幅安となっています。サンバイオは昨日に続いてストップ安となりました。また、10-12月の営業利益が前年同期比30%近い減益だった東京電力ホールディングスも8%近く下落しています。

その他材料が出たところでは、通信用計測機器大手のアンリツ(6754)は昨日発表した第3四半期決算が好調で通期の業績予想を上方修正したことが好感され、18%超の大幅高となりました。一方で第1四半期が大幅な営業減益で通期の業績予想を下方修正したサイバーエージェント(4751)は16%近く下げています。

VIEW POINT: 明日への視点

FRBが金融引き締めを急がない姿勢を示したことが好感され日本市場は上昇しました。本日日本企業の決算発表は前半戦のピークを迎えました。大引け後にZOZO(3092)、富士通(6702)、村田製作所(6981)、ファナック(6954)などが決算発表を行いました。明日のマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)