2019年の香港は「豚年」、過去の投資成績は?
来週2月5日から3日間、香港はChinese New Year=旧正月休みとなる。日本の新暦の正月三が日に該当するものだ。日本の元旦にあたる1月1日は、香港は実にあっさりとしたもので、1日だけ休みでその前後は普通に営業日である。
一方、旧正月は1週間前の1月末頃からお祭りモード全開で、繁華街は買い物客で混雑し、繁華街に向かう道路も大渋滞となる。以前このコラムにも書いたが、香港島ビクトリアパークには花市が立ち、正月用の水仙等の花を買う人で大晦日(今年は2月4日)の深夜まで日本のアメ横以上に人々でごった返す。
旧正月の日程は毎年変わり、それは24節気(立春や夏至など)の2番目にあたる雨水(うすい)直前の新月の日が旧暦の1月1日とされ、毎年1月21日から2月20日頃までを移動する。旧正月が早く来る年は、人々の動きが年初から忙しなく感じるのである。
さて、今年は日本では亥年(いのしし年)と言われているが、当地は、「豬年(豚年)」(Year of the Pig)と呼び、町中の飾りつけには、豚の貯金箱や置物が飾られており思わず笑いを誘う。
「豚年とは、どんな年になるのだろう」と思わず占いをしたくなるのが人の常であるが、投資に関して言えば過去の数値は良好だ。香港のHang Seng指数が指標として使われ始めたのが1969年。ちょうど50年前になるが、その間に豚年は4回。1971年、1983年、1995年、2007年、共に年間リターンはいずれもプラスであった。特に1971年は暴騰している。香港の株式市場に限って言えば豚年は全勝!である。
因みに日経のマネー研究所によると、1959年以降、5回の亥年のうち、日経平均株価の前年の終値からその年の終値が上昇した年は4回あった。4勝1敗とこちらも勝率80%と良好な戦績である。一般に亥年の相場の格言は「固まる」だそうだが、株式市場は日本も香港も「牛もびっくりのBullish」である。
香港の正月は「お金が儲かりますように!」と挨拶
また、豚年生まれの方の運勢占いなるものをYour Chinese Horoscopeと言う分厚い本を買って読んでみたが、豚年の方は、性格が社交的であり且つ思慮深く、人々から愛されやすい。また、粘り強い性格から、厳しい環境でも最後までやりきりしっかりと成果を残す。ということで、ビジネスマンとしては成功する要素満載の方が多いそうだ(因みに、エンターテインメントビジネスで大成功し、先日には2020年末で活動休止することを宣言した「嵐」の二宮さんと松本さんは豚年生まれだ)。
筆者個人は羊年生まれであるが、豚年の方とのビジネス相性はとても良く、パートナーとして成功する確率が高いとあった。2019年の新規事業は豚年の方と取り組むかと思わず考えた。
香港ではお正月の挨拶は、恭喜發財(広東語の発音はゴンヘイファッチョイ)。恭喜は「おめでとう」、發財は「お金が儲かりますように!」という意味だ。日本の様に「明けましておめでとう」は同じだが、その後に「お金が儲かりますように」と言うのも香港らしい。
腰痛リハビリで週末行った病院の受付女性に、次回の予約をする際、「この病院は4日から6日の3日間しか休日はないのか?」とお尋ねしたら、「休む暇があったらお金を稼ぐことを考えるのよ。それが香港人ですよ!」と言われた。理路整然と働かない言い訳を考えるどこぞの国とは異なる学ぶべき点の多い香港の正月である。