リーマンショックは前年に不安定な動きがあった

あけましておめでとうございます。
平成最後のお正月、どのように過ごされたでしょうか。

12月から市場は乱高下を繰り返し、不安定要素を抱えながらの年明けとなりました。リーマンショック級の経済打撃があれば、消費税増税は再延期……ということでしたが、年末の不安定さが増幅すれば、検討せざるを得ない事態にもなるかもしれません。

今年(2019年・平成31年)はご存知「亥年」ですが、相場の格言では「亥固まる」、上値に向けて下値を固め、小幅な値動きになる、と言われています。

昨年「戌年」は「戌笑う」で、確かに途中までは比較的順当に「笑える」場面も多く、10月には27年ぶりの日経平均株価高値を付ける場面もありましたが……以降は乱高下しながら大幅に値下げという結果になりました。

60年前(1959年)からの過去5回の亥年の日経平均株価の年間騰落率を見ると

1959年 +31.26%
1971年 +36.57%
1983年 +23.42%
1995年 +0.74%
2007年 -11.13%  
        (終値をベースに前年比から計算)

過去5回は数字データだけを見れば4勝1敗。

気になるのは2007年の数字です。これは7月くらいから下落幅が大きくなり、11月に大きく下落したことが大きく響いた年間下落です。迎えた翌2008年9月にリーマンショックが起こったわけですが、前年からの不安定な動きがその予兆であったともいえます。

バブル崩壊でも、リーマンショックでも、ある日突然に暴落しているような印象ですが、それ以前から乱高下をする不安定さが表れており、戻しがあれば心理的に投資家はその部分だけ信用して、「まだ、大丈夫」と信じようとしてしまう傾向にあります。

年初早々、警戒感いっぱいの内容となってしまいますが、現在世界経済においての不安要素(昨年末のコラム「来年の事を言えば鬼が笑う……でも、どうなる?」でも取り上げましたが)を踏まえ、昨年後半からの不安定な動きは今年何らかの大きな動きの予兆になっている可能性は否定できません。

景気拡大期・消費税スタートの平成元年と今年は似た状況に

ところで平成元年(1989年)はバブル期で、それこそ多くの人が実感する好景気の最中でしたし、くしくも消費税がスタートした年でもあります。

今年、平成から新しい元号の元年となり、生活実感があまり伴わないながら長く続いた景気拡大期にあります。また、消費税増税が行われる予定ともなっており、30年経て、似た状況にあるといえます。

ちなみに1989年は巳年、相場の格言は前年辰年とまとめて「辰巳天井」で、日経平均株価年間騰落率は+29.04%でした。

この上昇基調の部分が似た年になってくれることを祈らずにはいられません。そして、その翌々年に始まるバブル崩壊(平成不況)はくれぐれも踏襲だけはしないようにしてもらいたいものですね。

今年がアノマリーにあるように「上値に向けての地固め」という位置づけになるのか、膠着状態を抜けると急落といった状況を繰り返すことになるのか、楽観視しかねるところですが、祈りを込めて期待したいところです。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。