師走も後半に入り、いよいよ来年の足音が大きくなってきました。

「来年の事を言えば鬼が笑う」とは言いますが、誰もが来年はどうなるのか、相場はどう動くのか、気になるところです。

株式でも為替でも、相場というのは生き物です。何を糧に動いているかというと、様々な要因はあるものの、人が動かしている、すなわち人の思惑や感情が動かしているものです。材料を前に、人がどう感じ、どう考えるか、そしてその考えの多数の方に動き、引きずられるのが相場です。その考えが正しいかどうかではなく!

材料として、「確実な予定」というものはあり、また、予定ではなく現状から「想像・予想」される事柄もあります。それらから見える来年の市場の動きを考えてみましょう。

2019年予定

●5月 新天皇即位 ゴールデンウィークが10連休に

例年日本市場だけが閉まるGWには市場が動くことが多いものの、来年は33年ぶりの異例の1週間の市場(取引所)休止

 

●10月 消費税増税(10%へ)

その対策として……
・自動車関連税として燃料費税や自動車税の引き下げ
・住宅ローン減税の延長
・法人向け各種減税

 

●翌2020年開催の東京オリンピックに向けての準備の加速

ヒト、モノ、カネが急ピッチで動く……ただ、すでにその分は織り込み済み?

2019年想像・予想 

●米国経済の失速?

FRBの利上げ、慎重に転じるか

 

●米中貿易戦争の悪化

中国の景気減速、米国の保護主義政策の悪影響

 

●英国やフランスの国内の混乱の激化

ユーロ圏経済の減速 ブレクジットの行方

 

予定されているものに関しては、プラス、マイナス両面がそれぞれ分かっているだけに、マイナス面については既に対策が取られつつあります。とはいえ、証券取引所が閉まる1週間の対策は難しいでしょうし、ゴールデンウィーク前にポジション手じまいの動きが加速することは考えられますね。為替取引に関しては24時間動いていますから、取引所取引のものに比べると影響は小さいでしょうか。

オリンピック景気とその反動による減速については、過去の事例からも浸透しているうえ、いよいよ翌年にオリンピックが迫ってしまうと新たな材料としてはどうでしょう。

予想については主に世界経済の傾向を並べてみましたが、マイナス材料が目につき、世界経済「ピークアウト」説もさもありなんかと。

これに万が一不測の天災などが起きてしまうと……と不安な気持ちになります。

もちろんイノベーティブなIT関連の動き等、プラス要因も出てくる期待もあり、悪い予想は無事に収束したり、覆したりすることも十分にあります。

相場は予測の予測をし、裏まで想像して動きますので、これらの材料を市場参加者がどう判断していくのか、皆さんはどう感じているのか、それが来年の相場の行方を決めていくものです。

新年新たな気持ちで投資と向き合っていけるよう、年末年始にぜひご自身の金融資産と向き合い、整理をするようにしてくださいね。その上で偏った情報に右往左往せずに、世の中の判断は敏感に見つつ、ぜひとも自身で判断していくようにしていきたいものです。

ご愛読どうもありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。