1,000円安より怖いのは2015年6月の下落幅を上回って下げること

日経平均は22,500円が重要だと前回「日経平均は22,500円がポイント」でお話いたしましたが、1週間たった今、そこはとんでもない(かなり遠い)水準になってしまいました。あっという間に19,000円台前半の水準に落ち込んでいます。

米国株の大幅安には慣れてきましたが、ちょっと下げ過ぎですよね。クリスマスで休場となる直前の市場では、米国内での混乱(米財務長官が米銀大手6行のトップとマーケットについて週末に電話で話したとツイートしたことや、マティス国防長官の辞任、トランプ米大統領がパウエルFRB議長への不満をツイートしたことなど)が不安心理をあおる格好となりました。相場が強い時はびくともしない材料なのに、投資家心理が委縮している中、売り一辺倒になっています。
日経平均のことですが、アベノミクス相場が勢い付く直前の2012年安値を起点にして、ブレグジットで大騒ぎした際の2016年安値を通る右肩上がりのトレンドラインの存在をご存じでしょうか。

年初来高値(24,448円)からの下落で、買っても下がる、買っても下げる、と繰り返しながら、ようやく私の周りは「買う要素がない、上がる要素がない」といったような、弱気発言をわざわざ人に聞こえるように発するようになってきました。下げることに自信がでてきたのでしょう。

一方、上述したトレンドラインまで足元は下げました。ここまで下げても、買う要素(材料)や上がる要素(材料)は出てこないでしょうか? いや、きっと出てくることに期待できるかもしれません。

現時点では短期的な下落局面は押し目買い

群集心理が総弱気に傾けば、「人の行く裏に道あり花の山」。東証1部の騰落レシオ(25日)は70%割れ、25日移動平均線からのマイナスかい離率は12月25日の前場引け段階で10.9%まで拡大し、今年最大となりました。軽々しくコメントして怒られるかもしれませんが、1,000円安を大げさにみる必要はない、19,000円のフシも数字上だけ。

それより、相場の現象面で怖いのは、2015年6月高値から2016年6月安値までの下落幅6,088円を上回って下げることです。これまでのコラムでご案内したことがあるように、長期波動はITバブル時や資源株相場時の高値をすでに上回りました。なので、現時点では短期的な下落局面は押し目買いだと思います。