【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 23592.98  ▼507.53 (12/17)
NASDAQ: 6753.73  ▼156.93 (12/17)

1.概況

米国市場は冴えない経済指標を受けて景気減速懸念が意識され大幅続落となりました。ダウ平均は取引開始後まもなくして310ドル安程度まで売られると一旦持ち直したものの、先週末の終値近辺で上値を押さえられると午後に入って再び下げ幅を大きく広げ引け間際には643ドル安となり3月23日に付けた年初来安値を下回る場面もみられました。引けにかけてやや下げ幅を縮めたダウ平均は結局507ドル安の23,592ドルで取引を終え続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も156ポイント安の6,753ポイントと3日続落となりました。

2.経済指標等

12月のニューヨーク連銀製造業景況指数は10.90と前月から低下し市場予想を大きく下回りました。また、12月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も56となり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも不動産と公益事業が3%以上下落したほか、一般消費財・サービスも3%近く下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。そのなかでもアメリカン・エキスプレス(AXP)とプロクター・アンド・ギャンブル(PG)が4%以上下落したほか、ナイキ(NKE)とシスコシステムズ(CSCO)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、IBM(IBM)も3%を超える下落となりました。また、マイクロソフト(MSFT)とユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も3%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、テキサス州の連邦地裁が医療保険制度改革法(オバマケア)での保険加入の義務付けを違憲とする判決を下したことで病院運営のHCAヘルスケア(HCA)が3%近く下げました。さらに英ファッション通販大手のASOSが年末商戦の不振が原因で業績を下方修正したことで小売り株が軟調でした。アマゾン・ドット・コム(AMZN)やターゲット(TGT)、ギャップ(GPS)が4%以上下げたうえ、ティファニー(TIF)も2%以上下げています。家電量販店のベストバイ(BBY)は投資判断の引き下げもあって5%を上回る下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%低い2.85%となりました。ドル円は112円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなかでPERが12倍割れとなりそうな日経平均が割安感から朝方の売り一巡後に下げ渋るような展開をみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)