下のネックラインで歯止めはかかるか?

11月26日のNY原油先物は1バレル=51.63ドルまで反発しました。先週末に約1年1ヶ月ぶりの安値水準まで下落したこと、米株が大きく反発するなど米中関係悪化を懸念した動きがやや後退したことも買い戻しを後押ししたようです。

さて、10月高値(76.41ドル)は、2011年10月安値(74.95ドル)と2012年6月安値(77.28ドル)のおおむね中値付近でした。チャートでは過去の相場で形成した「上のネックライン※」という節目だったのです。

※ネックライン=高値と高値、または安値と安値を結んだ線のこと

ただ、10月高値から先週末までの下落幅は26ドル程度と、下げ幅が強烈です。2015年以降、ほぼ1本調子で上げたり、下げたりした相場はありましたけど、今回ほどの大きな値幅はなかったのです。

【図表1】NY原油先物(2014年7月1日~2018年11月26日)
出所:QUICK Astra ManagerよりDZHフィナンシャルリサーチ作成

短期的には、2016年6月~2017年9月までのもみ合いゾーンまで下げたこと、2016年1月に付けた安値(26.76ドル)から2017年6月安値(42.53ドル)まの日柄「359日」が先に対等するのが、今年の11月中旬ごろです。なのである程度の誤差が許されるとしたら、そろそろいったん下げ止まる可能性が高いといえます。

ダメ押しがあっても、2015年5月高値(61.17ドル)を起点に2017年2月高値(54.36ドル)を通る、今度は「下のネックライン」までではないでしょうか。

ただ、高値からの初動の下げ幅があまりにも強すぎるため、戻りが一巡するとまた弱い相場になる可能性が高いと思われます。

仮に、12月6日のOPEC(石油輸出国機構)総会でOPECとロシアなどが大幅減産で合意することができれば好感されるでしょう。ただし、戻りが大きい場合でも、2016年1月安値(26.76ドル)を起点に2017年6月安値(42.53ドル)を通る、下のネックラインでもある右肩上がりの上値抵抗線までが限界ではないかと思われます。