イーサリアムのコンセンシス社と業務提携を発表
やや宣伝めいて恐縮だが、当社は去る11月6日火曜日に、イーサリアム(Ethereum)を共同開発したブロックチェーンソフトウェア企業であるコンセンシス(ConsenSys)社との事業提携を発表した。今後Wealth Management Businessにも、いよいよブロックチェーン技術が本格的に応用される日は目前に来ているとの判断から、今回の事業提携に踏み切ったものだ。
守秘義務があるのであまり詳細なことは書けないが、今年5月にニューヨーク本社に初めて訪問して以来、彼らとのコンタクトの中で世界最先端のブロックチェーン開発企業の組織運営について少し理解できたような気がした。
同社については、『ブロックチェーン・レボリューション』(ダイヤモンド社、著書ドン・タプスコット、アレックス・タプスコット)に詳しく書かれているが、彼らの仕事ぶりは、正にDistributed Ledger Technology(分散型台帳技術=DLT)的な仕事ぶりなのである。
組織図そのものを見たことはないのだが、CEOを頂点とするピラミッド型組織運営がされているとは思えず、極めてフラットな組織運営がされていると感じる。米国本社を訪問した時も、ブロックチェーン開発ナンバーワングローバル企業との事であったので、マンハッタンのど真ん中の高層ビルにあるのだろうと思いきや、本社は表札も出ていないようなマンハッタン近郊の倉庫街の一角にある。
“Self-Sovereign”された強固な組織運営
まさに倉庫そのもののオフィスは、自由でのびのびとした執務空間が広がっている。学校のサークルのような雰囲気の中で、トップテクノロジーを身につけたメンバーが世界最先端のブロックチェーン技術応用例の話を次から次へとしてくれた。
スピーカーは様々なコンセンシスのグループ企業のマネージメントメンバーだ。つまりコンセンシスという会社から1つのアイデアが生み出され、そのアイデアの実現の為に新たな会社として独り立ちしていく。
コンセンシスというブロックから新たなブロックが生まれ、それぞれがイーサリアムという共通テクノロジーで密接に結びついている。そこには親会社・子会社的な発想が見当たらない。それぞれの企業がそれぞれのブロックの中で独自に応用技術開発を行っている。
しかも、それぞれの活動拠点は世界にまたがっており、ビデオ・カンファレンスが米欧亜の3大陸をつなぐというのは当たり前のように行われており、その参加する人種も様々だ。
ある意味でアメーバのようにフワフワと増殖している組織に見えるが、組織全体の横串はかなりしっかりとしている。契約サインオフをする法務部門、共同記者会見をする際の広報担当などは、地域を超え、時差を超え、24時間土日もなく組織横断的に動いており、組織を支える太い骨の役割を果たしている。
つまり、グループ企業それぞれが、彼らの好きな言葉で言うと“Self-Sovereign”(自己主権)されているが、コンセンシスという共通プラットフォーム上で“ブロックチェーンなる人々”によって強固に組織運営されているのだ。
我々Nippon Wealth Limitedという「新設の金融機関」=White Boardに、彼らと一緒にどのようにブロックチェーンを応用した新金融サービス導入の絵を描くことができるのか。考えるだけでもワクワクしてくる。