政治的イベントを終えたあとの株価は高い?

今週の最大の注目イベントは米中間選挙(11月6日)です。トランプ政権の共和党が上・下両院で過半数を維持できるかが焦点となります。市場予想では、上院は共和党が過半数維持、下院は民主党が過半数維持との見方が優勢です。その場合にはねじれ議会となり、減税第2弾の審議停滞などが連想され、株安・円高のシナリオが想定される?

確かに、米ドル/円は直近、株価下落に追随して円高方向に波乱がなかった分、結果次第では円高方向に振れる余地が生じやすく、株価の下押し要因になるかもしれません。しかしながら、下院での民主党優位は現状ですでに伝えられており、その通りの結果には織り込済みの反応が示される可能性の方が高そうです。

イギリスでEU離脱の是非を問う国民投票があった2016年のブレグジット以降でみても、「政治的イベントを終えたあとの株価は高い」という最近の動きを見てきただけに、機械的な売買も含め、株価の急速な戻りを演出する展開が期待できるかもしれません。過去の長い歴史を振り返ると、中間選挙において政権与党の勝利はわずかしかないようです。

一方、両院ともに共和党が過半数を維持した場合、リスク資産への資金シフト、つまりリスク選好?いや、むしろ現在高値圏にある米長期金利の急騰を招く可能性が高く、市場は逆にリスク回避になるかもしれません。

10月相場のサポート線が年内下値を固めるか

日経平均は先週1,000円程度の上昇となりましたが、急落過程において7月安値(21,462円)を下回ったことでバランスを崩した状況にあります。200日線(22,415円 11月2日現在)が下がり始めましたし、短期的には、25日線(2,2698円 同)で上値が抑えられ、いったん下に押し戻される展開がありがちなパターンではないでしょうか。

「政治的イベントを終えたあとの株価は高い」とならば勢い付くことも考えられますが、いくら反発が続いても目先は23,000円前後までとみています。

あくまでも楽観シナリオですが、10月高値からの急落を経て、あるパターンが中期的な動きとしてイメージできました。

直近の10月高値(24,448円)~10月安値(20,971円)までの下落幅3,477円は、1月高値(24,129円)~3月安値(20,347円)までの下落幅3,782円を上回っていません。つまり、このまま後者の下落幅以内でとどまることができれば、10月相場でサポートになった24ヶ月線上で年内下値を固め、来年は再び高値更新に向けた上昇波動につながる展開が予想されます。ただし、高値更新後に今回のように再び大きく下げるパターンではないかと思います。

高値圏(ここでいう高値圏はアベノミクス相場が始まってからの立ち位置のこと)で上がったり、下がったりを繰り返すパターンはある一種のモミ合い。それが、新たな上昇波動のつなぎ役になれば「夢をもう一度」なのですが、場合によっては天井にもなりかねないパターンです。どちらになりそうかは、正直なところまだわかりませんが。