(朝)先週末の米国市場は米中貿易摩擦解消への期待後退やアップルの大幅下落を受けて4日ぶりに反落 日本市場は米国株安を受けて下落か
【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25270.83 ▼109.91 (11/2)
NASDAQ: 7356.99 ▼77.06 (11/2)
1.概況
先週末の米国市場は早期の米中貿易摩擦解消への期待が後退したことやアップル(AAPL)の大幅下落を受けて4日ぶりに反落しました。トランプ米大統領が11月末の米中首脳会談での貿易交渉合意に向け草案作りを関係閣僚に指示したと伝わったことで買いが先行し朝方には200ドル高近くまで上昇する場面もあったダウ平均ですが、ホワイトハウス高官やクドロー米国家経済会議委員長が早期の米中の貿易交渉合意に否定的な見方を示したことでまもなくしてマイナスに転じると下げ幅を広げ午後には一時300ドル安余りまで売られました。その後ダウ平均はトランプ米大統領が中国との貿易交渉に楽観的な見方を示したと伝わると取引終盤に下げ幅を縮めましたが結局109ドル安の25,270ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も77ポイント安の7,356ポイントとなっています。
2.経済指標等
10月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比25万人増となり市場予想を上回りました。また、平均時給は市場予想通りの前年同月比3.1%増となり2009年4月以来の高い伸びとなっています。失業率も前月から横ばいの3.7%とこちらも市場予想と一致しましたが、49年ぶりの低水準を維持しています。さらに9月の米貿易収支の赤字額は前月比1.3%増の540億1900万ドルとなり、赤字額は市場予想を上回っています。9月の米製造業受注は前月比0.7%増となり市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、情報技術が2%近く下落したほか、不動産も1%近く下げています。一方で一般消費財・サービスと金融が上げています。
4.個別銘柄動向
アップルが6%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなり、ダウ平均を1銘柄で90ドル以上押し下げました。7-9月期の決算は市場予想を上回る増収増益となったものの、10-12月期の売上高の見通しが市場予想に届かなかったことが嫌気されました。ハンバーガーチェーンのシェイクシャック(SHAK)も第3四半期の既存店売上高が予想に反して減少となり、目標株価の引き下げが相次いだことから14%近く下げています。さらに食品大手のクラフト・ハインツ(KHC)も決算で1株利益が市場予想を下回ったことで急落し10%近く下げています。一方で決算が市場予想を上回ったスターバックス(SBUX)は目標株価の引き上げが相次いだこともあって10%近く上げています。インターネットセキュリティー大手のシマンテック(SYMC)も決算が市場予想を上回ったことで4%以上上昇しました。
5.為替・金利等
長期金利は0.08%高い3.21%となりました。ドル円は113円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の22,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)