9月27日シンガポールにてEconomist Intelligence Unit('EIU')主催の「The Longevity Summit」(長寿社会を考える国際会議)が開催された。そして、その開催テーマが表題なのである。その会議では、世界一の長寿大国日本も引き合いに出され、アジアの60代以上の人々をどのように生産人口に結びつけるか、そして政府・企業・大学研究機関等が、健康的長寿社会の実現のために如何に協業すべきかが議論された。因みに「日本・香港・シンガポール」は、世界3大長寿大国だそうだ。

会議のキーワードは、「若さを維持し、もっと資金を貯め、引退を先延ばしにすること」だそうだ。2015年時点で65歳以上の世界人口は6億人、2050年には16億人(予想)に増えている。しかし、アジア諸国ではその高齢化社会には十分対応できていない現実がある。従って高齢化社会を、単に増加する社会的負担として考えずに、新たな資産が出来てくると前向きに考えることが大切な事の様だ。そのためにも一番重要なのは健康寿命維持であることは論を待たないが、次に重要なのはファイナンシャル・マネージメントである。世界中に年金財政は逼迫の一途であるが、それが故に定年を延長して長く働ける環境を作り上げていくのが大切な鍵となる。現在定年世界標準は65歳であるが、シンガポールは62歳。ニュージーランドは定年という概念を辞めたそうである。最近日本の安倍政権が6月に打ち出した骨太方針の一つの焦点が「定年延長」。65歳を超えても健康な高齢者の働く意欲をそぐ年金の仕組みを見直して、長く働く人を増やし人手不足を補い、高齢者活用の布石として「70歳定年制」が政府主導で動き出しているようだ。

今回の国際会議では、「日本」=長寿社会Leading Countryという声が随分でたようだが、香港に住んでいて強く感じるのは、政府の掛け声が大切なのは勿論だが、民間レベルでの高齢化社会への対応が大切だと感じる。この欄でも一度書いたが、毎朝通勤の際に見る、シニアグループが思い思いに太極拳などの体操をして健康維持に努めている姿=keep youngの弛まぬ努力、民間保険会社の提供する日本には見られないたいへん有利な条件の終身年金保険=keep financial healthの備えなど、人生100年時代に向けて民間レベルでの努力が既にしっかりとしているように思える。香港は2000年まで年金制度そのものがなく、Mandatory Provident Fundという確定拠出型年金制度が始まって間もないという年金新興国なのだが、それゆえに社会課題に対して民間がビジネス機会として捉え積極的に動いている。

これから日本・香港・シンガポールという3大長寿大国が政府・民間双方で様々な知恵を出し合い、新たなロールモデルを作り上げれば 'Asia is ready for 100'になれるのではと思う。因みに筆者は、今週誕生日を迎え65歳まで後2年と迫る。Am I ready for 100 ?

コラム執筆:Nippon Wealth Limited, a Restricted Licence Bank (NWB)
世界三大金融市場の一つである香港にて、個人投資家に、「世界水準の資産運用商品」と「日本水準のサービス品質」、個人向け資産運用プラットフォームとしての「安心感」を併せて提供している金融機関。マネックスグループ出資先