PORTFOLIO OVERVIEW( 12 Mar 2018)

今週のFX-1ポートフォリオはさらに変更を加えた。オーストラリアのグロース・ファクターがポジティブに転じたことを受けて、豪ドルを初めてロングにしたのと同時にカナダ・ドルもロングに変更した。

その結果、ドルのネット・ポジションは大幅なショートとなっている。スイスフランとスウェーデン・クローナはロングと言っても実質ほぼニュートラルだが、いまやドルに対してショートのポジションはNZドルだけである。これほどドルに対して弱気なポジションをとるのは昨年このシステムをリリースして以来初めてのことだ。

主要ロング通貨はユーロ・英ポンド・円の3通貨。なかでもポンドが最大のロングになった。英国のグロース・ファクターは他の国と同等だが、われわれの通貨バリュエーション・モデルによるとポンドは割安である。グロース・ファクターのおかげでユーロもロングを維持している。円はグロースとバリュエーションの両面から選好する通貨となっている。

唯一のショートはNZドルである。これまではNZドル以外に、カナダ・ドル、豪ドル、スイスフランなどをショートにしてきた。その理由はそれらの国のグロースが相対的に弱かったからであるが、いまや明確にNZドルの弱さが際立ってきた。

われわれは別途、米国の雇用統計の予想をしているが、前回もNFPの強いデータを予想し、そしてそれは実際に正しい結果となったが、そのレポートでは強い雇用統計の予想からドルの買いを推奨した。それにもかかわらず、ここではドルの大幅ショート・ポジションを提示しているのはなぜか?

それは FX-1が中期のポートフォリオ・モデルであり、中期の成長性を相対的に評価するグロース・ファクターのインプットを重視するモデルだからである。

雇用統計は確かにポジティブで、ドルのショートをいくぶん削減する効果をもった。ただし、それは短期的な視点では正当化されるが中期的にはそうではない。中期的な視点を重視するグロース・ファクターでは、米国は堅調ながらも他の国をアウトパフォームするには至っていない。これがFX-1のキー・メトリック(測定基準)である。あくまで中期的、相対的にみればドルはショートである。

FX-1 STRATEGY Current Portfolio as of 12 Mar 2018

「+」の符号はその通貨のロング(買い持ち)を、「-」の符号はショート(売り持ち)を示す

現在のポートフォリオ
(Mar 12)
豪ドル
AUD
ユーロ
EUR
英ポンド
GBP
NZドル
NZD
カナダドル
CAD
スイスフラン
CH
日本円
JPY
ノルウェークローネ
NOK
スウェーデンクローナ
SEK
成長要因 +10.7 +17.5 +2.2 -18.6 +2.9 +12.2 +8.8 +6.0 -21.1
キャリー 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
バリュエーション -8.1 -7.6 +14.2 -10.5 -2.1 -18.5 +6.2 +18.5 +14.4
グローバル・リスク 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
ポジション調整 +4.4 +5.5 +5.2 +8.4 +4.1 +6.9 +4.0 -14.1 +7.2
最終ウェイト +7.0 +15.4 +21.7 -20.7 +4.9 +0.6 +18.9 +10.3 +0.5

ネットUSD(米ドル)ウエイト:-58.7

前回のポートフォリオ
(Mar 05)
豪ドル
AUD
ユーロ
EUR
英ポンド
GBP
NZドル
NZD
カナダドル
CAD
スイスフラン
CH
日本円
JPY
ノルウェークローネ
NOK
スウェーデンクローナ
SEK
成長要因 +6.5 +16.4 +5.9 -17.7 -6.3 +10.5 +9.2 +6.6 -21.0
キャリー 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
バリュエーション -8.0 -7.6 +14.2 -10.4 -2.1 -18.5 +6.2 +18.5 +14.4
グローバル・リスク 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
ポジション調整 -6.2 +8.5 -7.6 +12.7 -1.6 +12.2 +5.4 -17.4 +2.2
最終ウェイト -7.8 +17.3 +12.5 -15.4 -10.0 +4.1 +20.8 +7.7 -4.4

ネットUSD(米ドル)ウエイト:-24.8

ヘルプ

表の見方について広木が動画(約12分)で解説しています。

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DeepMacro FX-1 Strategy 通貨モデルの説明