年間介入額を更新した2026年
日本の通貨当局が、2026年に行った米ドル売り・円買い介入は、確認されただけですでに27兆円以上に上った。これは年間の為替介入額としては、これまでの最高だった2003年の20兆円を上回るものだ(図表参照)。
2003年の為替介入は、2026年とは為替相場の方向性が逆、円高阻止を目的としたものだった。この2026年と同じ方向性、円安阻止を目的とした為替介入のこれまでの年間最高額は2024年の15兆円だったので、2026年はすでにそれを倍近く上回る介入額になっている。
円安阻止介入の場合は、保有が有限の米ドルなど外貨を売る介入になるため、自国通貨の円を売る円高阻止介入以上に介入余力の限界が意識されやすい。そう考えると、円安阻止介入の過去最高をすでに更新してきたということは、介入余力の観点から限界が意識されやすい局面に入っているということになりそうだ。
必要なら介入額30兆円以上へ拡大の可能性もあり?
ただ、7月末に1998年以来の日米協調円買い介入を実施し、それでも円安が止まらなかった場合、介入余力が限界に達したとしてさらなる介入が見送られるようなら、それこそ円は暴落に向かいかねないのではないか。そう考えると、もしもまだ円安が続いた場合、さらなる為替介入の選択肢は残っているだろう。
年間介入額を、1~12月で見た場合、これまでの最高は2003年の20兆円だった。ただこの局面の介入は翌年の3月まで継続され、介入シリーズ15ヶ月の累計額は35兆円に達した。これを参考にすると、今回の場合も必要と判断された場合は、介入額がさらに30兆円以上に拡大する可能性もあるのではないか。
外貨売り介入補強策としての「サナエ・ボンド」発行
円安阻止のため米ドルなど外貨を売る介入の原資は、基本的に外貨準備。この外貨準備は、2026年2月末の1兆4106億米ドルからすでに2千億米ドル以上の減少となった。まだまだ枯渇が懸念されるような状況ではないものの、さらなる円安阻止介入により外貨準備が1兆1千億米ドル割れとなるようなら、2011年2月以来の低水準ということで注目が高まる可能性もあるだろう。
かつて、日本政府が円安阻止介入の長期化により、外貨売り介入資金の余裕が懸念されるようになったのは1980年代半ばにかけてあった。当時の米レーガン政権の「ビナイン・ネグレクト(優雅なる放置)」と呼ばれた米ドル高放置により、日本政府は円安の長期化に苦労するところとなった。そこで検討されたのが、外貨建て債券発行による外貨資金調達策で、時の総理大臣の名前から「中曽根ボンド」と呼ばれた。
これを参考にすると、さらなる円安阻止の長期化で外貨売り介入資金の補強の必要が判断されるようなら、高市総理の名前からいわゆる「サナエ・ボンド」発行を検討するということもあり得るのかもしれない。
