MM理論
MM理論とは、モディリアーニ・ミラーの定理として知られる企業金融理論のことです。この理論は、完全な資本市場を前提とした場合、企業価値は資本構成(負債と
株主
株主株主とは、企業の株式を保有する個人または法人のことを指します。株主は、企業の所有者の一部として以下のような権利を持ちます。
1.議決権:株主総会に出席し、企業の重要な意思決定に対して投票する権利です...
資本の比率)に影響されないとするものです。
MM理論の基本的な主張は以下の通りです:
1. 資本構成無関連命題:企業価値は資本構成に影響されず、企業の
投資
投資投資とは、将来の利益を期待して資金を投入する行為のことです。投資対象には、株式や債券、不動産、コモディティ、投資信託など様々な金融商品が挙げられます。
投資の目的は、資産の価値が増加することによって...
決定のみによって決まる。
2.
配当
配当配当とは、利益の一部を株主に分配することです。配当は株主に還元する方法の一つで、通常は現金で支払われますが、株式(株式配当)や他の資産の形で支払われることもあります。
配当を受け取る権利があるのは、...
無関連命題:企業価値は配当政策に影響されない。
これらの主張は、現実の市場では成り立たない仮定(例:税金や取引コストがない、情報の非対称性がないなど)に基づいていますが、
ファイナンス
ファイナンスファイナンスとは、資金の調達や運用、管理に関する活動やその研究分野を指します。企業や個人が事業を行う上で必要な資金をどのようにして集め、どのようにしてその資金を有効に使い、また、どのようにして返済して...
の基本的な考え方を理解する上で重要な理論とされています。
MM理論は、その後の研究によって様々な修正や拡張が行われ、より現実的な状況を考慮した理論が展開されています。例えば、法人税を考慮すると、負債による節税効果が企業価値に影響を与えるという理論が提唱されています。
この理論は、企業の資本構成や配当政策を考える際の出発点となっており、現代の企業金融理論の基礎となっています。


