NYダウ: 25998.92  △27.86 (9/12)
NASDAQ: 7954.23  ▼18.25 (9/12)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は米財務長官が中国に貿易協議再開を打診したと伝わったことで米中貿易摩擦への懸念が後退する一方で、ハイテク株の下落が重石となり小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は午前中に174ドル高と大きく上昇する場面もありましたが、午後に入って上げ幅を大きく縮めると小幅にマイナスとなる場面もありました。結局ダウ平均は27ドル高の25,998ドルで取引を終え続伸となりました。また、S&P500株価指数も1ポイント高の2,888ポイントと3日続伸となっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は18ポイント安の7,954ポイントと3日ぶりの反落となりました。

2.経済指標等
8月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.1%低下し上昇を見込んでいた市場予想を下回りました。米連邦準備制度理事会(FRB)は米地区連銀経済報告(ベージュブック)で経済活動は穏やかなペースで拡大したとの認識を示しています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、電気通信サービスと生活必需品が1%を超える上昇となりました。一方で金融と情報技術、公益事業の3業種が下げました。

4.個別銘柄動向
米中貿易摩擦への懸念が後退したことでボーイング(BA)が2%を超える上昇となりダウ平均を1銘柄で55ドル余り押し上げました。キャタピラー(CAT)も1%を上回る上昇となっています。また、関節性リウマチ薬の治験に成功したと発表したバイオ製薬のギリアド・サイエンシズ(GILD)が2%以上上げています。一方で投資判断の引き下げを受けて半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)が4%を超える下落となりました。半導体製造装置のラムリサーチ(LRCX)も投資判断と目標株価の引き下げで3%以上下げています。写真共有アプリ「スナップチャット」を展開するスナップ(SNAP)も投資判断と目標株価の引き下げを嫌気して7%近く下げました。さらに欧州連合(EU)の欧州委員会がテロ行為をあおる投稿をネット上から排除するための新規制案を提出したことからフェイスブック(FB)やツイッター(TWTR)が売られました。フェイスブックが2%を上回る下落となったほか、ツイッターも4%近く下げています。

5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い2.96%となりました。ドル円は111円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が小幅に高安まちまちとなったことから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はやや円高となっているドル円などの動向をにらみながらの展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)