1.概況
本日の日経平均は60円安の2万2604円と反落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。中でもマザーズ指数は2%近い大幅安となっています。昨日の米国市場で主要指数が上昇したことを受け、日経平均は38円高の2万2702円と続伸して寄り付きました。ただ日経平均は昨日300円近い大幅高となっていたことからか寄り付き後すぐにマイナスに転じるとその後も下げ幅を広げる展開となりました。11時過ぎに142円安と1日の安値をつけた日経平均は、前場を92円安で終えました。日経平均は後場に入ると前場終値近辺の狭い値幅でのもみ合いとなり、大きな値動きは出ないまま60円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆3601億円となりました。東証33業種は鉱業、水産・農林業、情報・通信業、陸運業、小売業などの9業種が上昇しました。一方で電気機器、機械、海運業、化学など24業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は1位から5位までの銘柄が上昇したものの6位以降の銘柄はほとんどが下げました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が3.4%高と大きく上げたほか、任天堂(7974)、ソニー(6758)、ヤフー(4689)、ファーストリテイリング(9983)が上昇しました。一方でSUMCO(3436)、トヨタ自動車(7203)、東京エレクトロン(8035)、三菱UFJ(8306)、村田製作所(6981)がいずれも下げています。米国市場で半導体関連株が売られた流れを受け、SUMCOは8%近い大幅安となったほか、信越化学(4063)、ローム(6963)なども大きく下落しました。その他材料が出たところではドクターシーラボなどを展開する化粧品会社のシーズ・ホールディングス(4924)がストップ安となりました。前期決算が従来の会社予想を大きく下回って着地したことが嫌気されました。一方で自動車リースなどを手がけるイチネンホールディングス(9619)は今期の純利益予想や配当額予想を上方修正したことが好感され、5%高い大幅高となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は昨日大幅高となっていたこともあり反落しました。東証1部の値上がり銘柄数548に対して値下がりが1,496と値下がり銘柄の多さが目立ちます。半導体関連株が大きく下落するなどマーケットのセンチメントは良いとは言えない状況で、やはり通商問題の落ち着きなどの材料が待たれるところです。本日の米国時間にはアップル(AAPL)が新製品発表会を行います。新型iPhoneが発表されるとみられており、どのような新機能が搭載されるかなどによってアップル株はもちろん今夜の米国市場全体や明日の日本市場のアップル関連株への影響も大きいため注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)