1.概況
本日の日経平均は32円高の2万1739円と小幅に反発しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場で主要指数が下落し、ドル円は113円前半まで円高に振れたものの昨日100円近く下げていたことから本日の日経平均は8円安と小動きで寄り付きました。日経平均は寄り付き後にすぐにプラスに転じるとまもなく上げ幅を80円超まで広げました。ただその後は上値が重く小幅なプラス圏で推移した日経平均は前場を35円高で終えました。日経平均は後場に入っても大きな値動きは出ず小幅なプラス圏での推移が続きました。日経平均は結局小幅に反発して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆6333億円となりました。東証33業種は3%近く上昇した証券商品先物や石油石炭製品、パルプ・紙など19業種が上昇しました。一方でその他製品や海運業など14業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)は4%近い大幅安となりました。大手証券が投資判断を引き下げたことが影響したとみられます。また、売買代金2位のファナック(6954)や4位の神戸製鋼所(5406)もそれぞれ下げました。ファナックは昨日業績予想の上方修正を発表し一時6.6%高まで買われましたが徐々に利益確定売りに押されて小幅安で取引を終えました。一方で三菱UFJ(8306)やSUMCO(3436)、ソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、三井住友(8316)などはそれぞれ上昇しています。材料が出たところでは、大和証券グループ本社(8601)が5%超の大幅高となりました。昨日発表した中間決算で営業利益が前年同期比7.1%増と堅調だったほか、自社株買いを発表したことも好感されました。また、メッセンジャーアプリを手がけるLINE(3938)はストップ高となりました。広告サービスの売上などが好調で大幅増益となったことが好感されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
昨日連騰記録が途切れた日経平均ですが、続落とはならず小幅に反発しました。やや過熱感がある一方で日本企業の業績への期待感は高いことが株価のサポートになっていると考えられます。本日の大引け後には野村不動産ホールディングス(3231)、野村総合研究所(4307)、日立(6501)、富士通(6702)、セイコーエプソン(6724)、NTTドコモ(9437)などが決算発表を行いました。明日のマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)